2018年6月号パルキッズ塾
Vol.62 | 英検ライティング対策プリント
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1806
小豆澤宏次『英検ライティング対策プリント』(株式会社 児童英語研究所、2018年)
みなさまから多数リクエストをいただき、首を長くしてお待ちだった方も少なくない「英検オンラインレッスン」の2級が6月に発売できることになりました。10月、または来年の1月の英検に向けて、夏休みなどを利用してじっくりと対策していただけそうです。
2級もこれまでの「英検オンラインレッスン」同様、全60レッスン、復習レッスン、実力プリント、英検センテンスといった取り組み、そして反復学習を通して、英検2級に出題される語彙、センテンス、会話文などに触れ、しっかりと自分のものにしていくプログラムになっています。
そして今回、新たに導入したのが「ライティング対策プリント」です。3級、準2級でも始まったライティング問題に対して、全30のトピックに対して、60の回答を用意することで、確実にライティング問題で点数を稼げるようにしていきます。これだけのボリュームで、さらに小学生でも取り組めるライティング対策問題は、他にはありません。
この「ライティング対策プリント」は今回発売する英検2級だけでなく、3級、準2級もご用意していますので、ぜひ有効にお使いいただければ幸いです。
さて、今回はこの「ライティング対策プリント」でどのように学習を進めていけばよいかを、教務の視点で書かせていただこうと思います。
| 小学生にとって難しいのは「意見」を持つこと
英検のライティング問題を小学生が攻略するためには、2つのことをクリアしなくてはいけません。ひとつは「英語で書くこと」、そしてもうひとつは「意見を出すこと」です。一見「英語で書くこと」の方が難しそうですし、英検協会からすると、ここを強化したいがためにライティング問題を導入しているわけなので、ここさえクリアすれば点数がとれそうな気がします。しかしこれは中学生以上の話です。小学生にとっては、「英語で書くこと」よりも「意見を出すこと」の方がはるかに難しいことを知っておきましょう。
例えば2級の場合、次のような問題が出ます。”Do you think school uniform should be required? (学校の制服は必要だと思いますか?)” これに対して、まず ‘YES’ なのか ‘NO’ なのか立場をはっきりさせます。そして、その立場を選んだ理由を2つ提示して、それぞれ説明する必要があります。
中学生であれば、理由が書きやすそうな方の立場を選ぶなど、知恵を使うことができるのですが、小学生の場合、この質問に対して良くも悪くも真剣に考えてしまいます。そして立場をはっきりさせるところまでは行くのですが、その理由が思いつかないのです。理由に関しても、中学生であれば自分が知っている単語で書けるような理由を作ったりすることができるのですが、小学生であればそうはいきません。せっかく理由が出てきても、知らない単語を使わなくてはならず、そこで行き止まりになってしまうケースがよくあります。
つまり、小学生の場合は、まず「意見を出す練習」を行う必要があるのです。そしてそれができるのが「ライティング対策プリント」なのです。
| 両方の立場で考える。意見を出すためのヒントも!
「ライティング対策プリント」の場合、ひとつの問題に対して、YESとNO 両方の立場にたって答える練習をすることができます。そしてそれぞれの模範回答も記載しています。
例えば先ほどの ”Do you think school uniform should be required? (学校の制服は必要だと思いますか?)” という問いに対して、意見を出すためのヒントも記載しています。この問いに対して NO という立場の場合「制服はとても動きづらいね。勉強している間、1日中制服でいると疲れるね」「制服では温度調節ができないね。男子は夏でも長ズボンで女子は冬でもスカートをはかなくてはいけないよね」といったものです。もちろんすべてのお子様に当てはまるわけではないのですが、あくまでも意見を導きだすためのリードとして記載しています。
さらに、その答えを出すためのキーワードを記載しています。この問いであれば comfortable / formal / all the time / choose / clothes / depend on / weather / long pants / hot days / skirt です。つまり、これらのキーワードを使ってさきほどのヒントから英文を作る練習をするわけです。
解答例では、
I don’t think that school uniform should be required.
I have two reasons.
First, wearing school uniform is not comfortable when you study. Usually, school uniform is very formal, and it is not easy for students to study while wearing it all the time.
Second, you cannot choose clothes depending on the weather. For example, boys have to wear long pants on very hot days, and girls have to wear skirt even when it’s very cold.
Therefore, I don’t think school uniform should be required.
としています。
英検の解答例だと小学生の知識量だと難しく、なかなか参考にすることはできませんが、パルキッズの場合、小学生でも出すことができるアイデアを例に挙げていますし、2級の問題であれば、単語レベルとしては準2級以下の単語を用いて答えが作れるようにしています。ここが小学生でもできる所以です。
| 短期間で英語で書けるようになるには型を覚える
自分の意見をある程度出すことができれば、あとは「英語で書ける」ようにするだけです。本来であれば自由に書けることが理想ですが、いきなりそうはいきません。英検の場合は文字数の制限や書く内容の制限などがありますので、型を覚えてしまうのが一番よいでしょう。
ただ数ヶ月の短期で対策をしていくわけですから、型を覚えるだけの練習をするには時間がもったいないですよね。「英検ライティングプリント」では実際に問題を解きながら、型を覚えられるように、回答の仕方を統一しています。
例えば、理由を2つ述べたあとの結論では、”For these reasons,~” と書き始めるようにしています。もちろん “That’s why~” など、他の言い回しもありますし、それも使うことができれば尚よしですが、まずは正しい型をひとつ覚えて、何も考えずにそれが出てくる状態にしてあげるのが小学生には適しています。
文法知識のない小学生にとって、読むことにおいてもそうですが、書くことにおいても正しい型を反復学習することで、確実に力をつけることができるのです。
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小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。