パルキッズ塾 パルキッズ通信 | 英検, 英検オンラインレッスン
2019年12月号パルキッズ塾
Vol.80 | 小学生向け英検準1級対策
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1912/
小豆澤宏次『小学生向け英検準1級対策』(株式会社 児童英語研究所、2019年)
英検オンラインレッスンにいよいよ「準1級」が加わることになりました。現在制作の最終段階に入っておりますので近々皆様にご案内ができそうです。
さて、私自身この「英検オンラインレッスン」にはとても思い入れがあります。
今から十数年前、私も多くの子どもたちを現場で教えていました。その時に一番大変だったのは英検対策でした。子どもたちはパルキッズを通して自然に英語を身につけているのですが、文法的知識はありませんし、英語を日本語に訳して理解することはできません。つまり中学生がやるような英検対策はできないのです。
中にはお母さまが自宅で独自に中学生的なアプローチで対策をする場合もありましたが、子どもたちが混乱してしまい、逆に成績が落ちてしまう、そんなことが少なからずありました。
幼児、小学生が英検を合格するために必要なのは、英検でよく出る単語や文章にとにかく触れるということです。そうです。ひたすらインプットをしてあげるということです。
そのために一番良いのが過去問だったのですが、これがやっかいでした。当時の私の対策法はひたすら過去問に取り組ませる、というものでした。文法的な説明や日本語訳は一切行いません。淡々と過去問に繰り返し取り組むわけです。
女の子は比較的言われたことを淡々とこなすことが得意なので、この取り組みを行ってくれるのですが、男の子はそうはいきません。意味もよくわからない、面白くもないこの取り組みをとにかく嫌がるのです。すると英語力に関係なく、英検に合格する子とそうでない子が出てきたのです。
これが長年の悩みだったのですが、これを解消したのが「英検オンラインレッスン」です。女の子でも男の子でもゲーム感覚で取り組んでいるうちに、過去問を繰り返し解いているのと同じようなインプットができるようになりました。そしてそのプログラムも、5級から始まり、いよいよ準1級までやってきました。
準1級は相当ハードルが高い
小学生で準1級というのは言うまでもなく相当ハードルが高いといえます。センター試験の英語で満点近くとることができますし、中高の英語の先生ですら取得していない方も多いわけですから。それを小学生で合格するとなると、英語力の問題ではなく、それ相応の背景知識も必要になります。単にインターナショナルスクールに行けば、帰国子女なら合格というわけではありません。
もう少し細かく見ていきましょう。
まずは単語です。パルキッズの「英検オンラインレッスン」では5級から3級までに学ぶ単語は各600語ずつ、そして準2級と2級はそれぞれ720語ずつとなっています。ここまでで3,240語です。そして準1級ではいきなり倍になり、1,500語を学ぶことになります。
もちろんこれらの単語をすべてイラスト付きのイメージでインプットをしていきます。よくお問い合わせいただくのが、このイラストで単語を完全に覚えることができるのか、ということです。答えは「No」です。あくまでも単語は単語として学ぶのではなく、センテンスの意味を理解する過程で学ぶのが望ましいのですが、ここで単語のイメージを獲得しておくことで、後に出てくるセンテンスの理解を助ける役割を担います。
このように準1級レベルの単語をすべてイラストで学びインプットできる教材は他にはありません。
準1級は会話文が少ない
準1級の特徴として「会話文」が少ないというのがあります。会話文は背景知識のあまりない小学生、幼児にとってのサービス問題なわけですが、これが少ないというのはそれだけ彼らにとって難易度が上がるということです。
細かく見てみると、まずは語彙問題、熟語問題、会話文問題の大問1と大問2です。2級を見てみると大問1は合計20問あるのですが、その内会話文の問題は4問出題されています。ちなみに準2級は大問1の20問中10問が会話文です。さらに大問2の5問はすべて会話文となっております。一方準1級は大問1が25問あるのですがそのうち会話文の問題は2問だけです。
また、その後の長文問題も、背景知識があまり必要ないEメールの問題は準1級にはありません。
次にリスニングです。まずは2級からです。合計30問あるうちの半分の15問が会話文を聴いて答える問題になっています。次に準2級です。こちらも問題数は30問です。そして会話文はそのうち20問となっています。最後に準1級です。準1級では合計29問あるうちの12問が会話文をベースに作られています。
背景知識があまりなくても解ける問題が、全体のどれぐらいの割合を占めているのかをまとめてみましょう。ライティングを除いた問題すべてに対する会話文とEメールの割合です。
・準2級:57%
・2級 :32%
・準1級:20%
これを見ると、準2級までであれば背景知識がそれほど必要ない問題を落とさずに確実にとって、ライティングで点数を稼ぐことができれば合格できますが、2級以上となるとなかなかそういうわけにはいかないことがわかります。
準1級のライティング問題
最後にライティング問題です。
まず2級以下の級と準1級の大きな違いは、問題文自体が英語で書かれているという点です。2級以下は日本語で書かれています。内容はそこまで大きく変わりません。語数の目安が2級は80語~100語だったのが、準1級になると120語~150語に変わりますが、ポイントで紹介されている語を使いながら文章を構成していくという所は同じです。
次は内容です。2級でも背景知識が必要な問題が出題されていますが、準1級になるとさらにハードルが高くなります。例えば下記のような内容です。
・日本企業は外国人労働者をもっと雇うべきか
・日本の高校の教育は改良されるべきか
・将来的に日本の消費者はもっと海外製品を購入すべきか
・日本の高齢者はデジタルデバイスを多用すべきか
・ファストフードを禁止すべきか
・臓器提供を必須にすべきか
などなど、こういったトピックは出題されます。日頃からニュースなどの時事的な情報に触れていなければ自分の考えを提示するのは難しいような問題が出題されています。
パルキッズの「英検オンラインレッスン」では、上記のような問題でも、小学生が理解できるようなアイデアを使って解答例が作成されています。解答例を書き写すだけでも、それが知識として頭に入り、アイデアの引き出しが増えるトレーニングになります。
小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。