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2021年11月号パルキッズ塾

Vol.103 | フォニックスドリルって必要?ドリルの役割

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-2111/
小豆澤宏次『フォニックスドリルって必要?ドリルの役割』(株式会社 児童英語研究所、2021年)


特集イメージ1 9月をもって長らくご愛顧いただいて参りましたダウンロード教材販売ストア「エデュマート」が終了となりました。Appleが音楽配信を始め、データ販売というのが一般的になった時代から運営してきましたので10年以上になります。主にドリル教材、そして今ではオンライン版へと移行した多読用の電子書籍を販売しておりました。ドリル教材に関しては引き続き「パルウェブ」にてお取り扱いをしておりますので安心して今後もご利用いただければ幸いです。
 さて、パルキッズのメインの取り組みは「かけ流し」と「オンラインレッスン」です。基本的にはその2つさえ継続できていれば問題ないのですが、弊社にて取り扱いのある「フォニックスドリル」をはじめとしたドリル教材について、いつ取り組むのか、これは必ず取り組む教材なのか、そういったご質問をいただくことがありますので、今回はその点について解説していきたいと思います。
 そもそもパルキッズのドリル教材は必須の取り組みなのでしょうか。答えはNoです。必須ではありません。あくまでもオプションとしての取り組みになります。ではどういった場合に取り組むのが良いのでしょうか。


パルキッズのドリルの役割と始めるタイミング

特集イメージ2 パルキッズのドリルは主に読解力育成を目的としたものになります。「フォニックスドリル」であればフォニックスのルールを学ぶためのものですし、「ライミングドリル」は押韻を学ぶものになります。つまり文字を音声化するためのルールを学ぶものになります。ちなみに「英検ドリル」は「ジュニア英検」を受ける幼児のお子様にピッタリの内容になりますので、機会があればお取り組みいただくとよいでしょう(本格的な英検の対策は「英検オンラインレッスン」がおすすめです)。
 さて、文字を認識して音声化できるようになる過程として、「フォニックスドリル」などのルールを先に学ばせるのが良いのでしょうか。これに関しては私は反対の意見です。フォニックスを日英バイリンガルの必須条件のように思う方もいるのですが、フォニックスとは文字読みの基礎中の基礎のルールで、全くもって万能ではありません。そして、これぐらいのルールであれば、実は「アイキャンリード」などの絵本の読み聞かせで自然に身につきます。事実、「アイキャンリード」に収録されているフォニックスクイズで、フォニックスを何も教えていないのに、次第に正答率が上がっていくのを実感されている親御さんは少なくありません。ただ、日本語でもそうですが、子どもたちは勘違いと訂正を繰り返しながら身につけていきます。フォニックスも間違ったルールで覚えている場合もあります。そういった時に活躍するのがドリルです。ある程度、自然にフォニックスのルールを身につけた上で、頭の中を整理する意味で「フォニックスドリル」に取り組むはとても効果的です。ただし、ドリルを使わなくても、読むということを繰り返していればきちんと間違った箇所を訂正していきますのでご安心ください。あくまでも訂正するのを助ける手段のひとつであるということです。
 つまり、ドリルはゼロから文字読みのルールを学ぶためのツールではなく、ある程度身につけた知識を整理するために使うのがベストなのです。ですので、始める時期としては「アイキャンリード」が終わってから、時間に余裕があり、他にも何か取り組みに加えることができる、そんなお子様に限って導入していただくのがよいでしょう。


小学生から英語教育をスタートした場合

特集イメージ3 小学生から英語教育をスタートした場合、特に「パルキッズジュニア」からスタートされたお子様の場合は、インプットの方法が「読む」ということになるので、できるだけ早く文字読みのルールを獲得する必要があります。パルキッズジュニアでは最初の6ヶ月間でフォニックスと基礎概念の学習を行う「プレレッスン」に取り組みます。これだけでも十分なのですが、さらにそこを強化する余裕がある場合は、ぜひ「フォニックスドリル」にお取り組みいただくことをおすすめします。
 6ヶ月後から本格的に「読む」学習が始まるわけですが、その時点でフォニックス程度の基礎ルールをマスターしておくと、英語学習に対する抵抗感(難しいと感じるなど)を感じにくくなります。つまり、習慣化が楽になり、それが学習の継続に繋がり、確実に成果が出せるようになるわけです。
 また小学3年生になるとローマ字の学習が始まります。このローマ字というのが英語教育には厄介な存在で、この時点でフォニックスが身に付いていないと、英語の「読み」がフォニックスとローマ字のダブルスタンダード状態になり、混乱を来たす恐れがあります。
 そういった余計な回り道をしないためにも、ローマ字教育が始まるまでの期間を見ながらこういったドリルで文字読みの強化をしていただくのがよいでしょう。


書くのが好きな子どもたち

特集イメージ4 最後にドリルもそうですが、パルキッズに付属しているプリントなど「書く」学習についてお伝えします。お子様によっては書く学習が合っている場合があります。よく見るのが口数が少なく、言うことを聞くお利口さんで、暗唱が苦手なお子様です。あくまでも一般的な話ですが、こういったお子様の場合、プリントやドリルを与えると、黙々と取り組むことができます。得意なことをやらせてあげることで、英語学習に対してポジティブなイメージを持ち、能動的に学習できるようになります。逆に暗唱が得意な子は、書く学習が苦手な一面もあります。
 英語学習はインプットが何よりも大切なのですが、そこさえしっかりとできていれば、その後の成長の道は一本ではありません。書くのが得意な子は書くことによって、読むのが得意な子は読むことによって、英語学習に対して自信をつけていけばよいのです。
 もし暗唱が苦手な場合は、書く学習を取り入れてみることを考えるものよいでしょう。「できる!」と思うことで英語学習に対して能動的な姿勢になり、それが継続学習に繋がっていきます。単純にフォニックスなどの文字読みのルールを身につけることができるわけですが、それ以外にも自信をつけるためのツールとしてもドリルやプリントは活用できるのです。  ぜひお子様の様子を見ながら、導入を検討してみましょう。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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