2023年10月号パルキッズ塾
Vol.126 | パルキッズの取り組みQ&A
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
https://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-2310/
小豆澤宏次『子どもとデジタルデバイスとの付き合い方を考える』(株式会社 児童英語研究所、2023年)
将来的に英検受験を考えています。どの教材に取り組むとどの級を受験できるかという目安があれば教えてください。
パルキッズの教材、特にメイン教材である『パルキッズプリスクーラー』『パルキッズキンダー』そして読解力育成教材『アイキャンリード』『アイラブリーディング』は、あくまでも英語の本来的な力を身につけるため、また読解力を身につけるための教材としてご提供しています。そのため必ずしも英検に対応しているわけではありません。
例えば語彙に注目してみましょう。『パルキッズプリスクーラー』『パルキッズキンダー』に出てくる語彙は、ネイティブの子どもたちの身の回りにあふれているもので構成されています。そのため、英検や我々が中学生以降に習う語彙とは異なります。また『アイキャンリード』『アイラブリーディング』に出てくる語は、フォニックスやライミングのルールを学ぶために押韻をするようなものを中心に選ばれています。つまり、読みのルールを体に染み込ませるための仕掛け作りがなされています。
以上のことから、これらの教材を修了したからといって、英検○級相当ということはお伝えできません。ただし、英検に合格するためには英語の本来的な力が必要であると我々は考えています。もちろんスクールによっては英検に限定した取り組みをおこなっているところも少なくありません。しかしそれでは英検には合格しても、それ以外のところではその英語力を発揮できないということになりかねません。
これは例としてよく挙げるのですが、以前、アメリカの片田舎に住む小学4年生の女の子にセンター試験の英語を受けてもらったことがあります。この子は日本の高校生レベルの文法教育もセンター試験対策もおこなっているわけではありません。そんな子が何とほぼ満点をとったのです。
つまりネイティブと同様の本来的な英語力さえ身につけておけば、英検であろうが、共通テストであろうが、対応できるわけです。ちなみにパルキッズの場合は、英検のシステムに慣れるために『英検オンラインレッスン』を各級ご用意しています。読めるようになったら『英検オンラインレッスン』に取り組むことで英検の合格率を上げることができるでしょう。
オンラインレッスンをまじめに取り組んでくれません。もっと積極的に取り組ませるにはどうしたらよいでしょうか?
まず幼児の場合です。幼児の場合はその日その時の気分でやってくれたりやってくれなかったりということがあるでしょう。これは幼児にとっては当たり前です。そういった場合は親御さんのお膝の上のお子様の乗せてあげて、親御さんがやってみせてあげましょう。何が何でも自分で取り組ませる必要はありません。
次に小学生以上のお子様の場合です。小学生以上のお子様の場合は、日々のパルキッズの取り組みは学校の宿題と同じで「すべきこと」になります。その上で「なぜこの取り組みをやらなければならないのか」「いつどういったスケジュールでやっていくのか」ここをしっかりと話し合ってください。親子双方が理解しコンセンサスをとった上で取り組みを行うことが主体的に取り組むための第一歩になります。
という大前提の話を踏まえて、今回はTipsをご紹介したいと思います。
子どもたちからすると日々の取り組みは点でしかありません。日々目の前のタスクをこなす、そんな風景を見ています。わかりやすくするためにインベーダーゲームに例えてみましょう。ただただ次々と現れる敵を撃ち落とす、これが子どもたちにとっての取り組みです。何機撃ち落としたとか、あと何機撃ち落とすと次の面に行けるとか、レベルがいくつだとか、そういった情報は一切見えていません。そんなゲーム楽しいでしょうか?長続きするでしょうか?
そうです。長続きさせるためにはこれまで何をやったのか、そしてこれから先何をやるのか、さらには今どういう状態なのか、こういったことを見える化するだけで途端に楽しくなります。つまり点の取り組みを線で見せることが必要なのです。例えばパルキッズのオンラインレッスンであればレッスン数は決まっています。それらを大きなラジオ体操のスタンプカードのようなものを壁に貼って、ひとマスひとマス終わったらステッカーで埋めていく、そして何レッスンか毎にご褒美を用意しておくわけです。もちろんご褒美もスタンプカードに書いておくことが重要です。
さらに英検受験ができるのであれば英検の級を取得することで、自分のステータスを数値化することができます。これも楽しいイベントです。こういった形で点だけだった取り組みを、線で見せることでレッスンをゲーム感覚で取り組めるようになり、モチベーションを上げることができるのです。
かけ流しですが、毎日流すことができず管理がうまくできません。どのようにすれば管理が楽になるのでしょうか?
パルキッズによる早期英語教育も、幼児教室プログラムのような早期教育に関しても最も大切なことはインプットです。そしてそのインプットソースになるのがかけ流しです。特に英語教育の場合は、かけ流しによる音環境の整備が最もプライオリティが高い取り組みと言えるでしょう。
とは言え、パルキッズの場合は毎日90分、合計4年間かけ流すわけです。日によってはかけ流すことができない日もあるでしょう。旅行に行ったり、風邪をひいて体調を崩したり…そういった場合はかけ流しが後回しになってしまうのは致し方ありません。そうすると、かけ流しの取り組みがどんどん後へ後へとずれ込んでいくような気がします。ご質問者様の場合も、毎月1日から新しいステップのかけ流しができれば管理が楽なのでしょうが、後にずれ込むことで管理が難しくなると考えていらっしゃるのかもしれません。まずはそこの誤解から解消していきましょう。
パルキッズのかけ流しは、最低月の2/3行うことができれば次のステップに進んで良いというルールになっています。そのためその月に何度かかけ流すことができない日があっても、それが10日以内であれば次のステップに進んでも良いことになります。
そして管理を楽にするためには毎月1日にかけ流しのステップを変えるということをルール化しましょう。例えば10月1日からSTEP1をかけ流しをスタートしたけれど、15日しか流せなかったとします。その場合は11月も同じステップをかけ流し、12月1日からSTEP2に入る要領でお取り組みください。
また数ヶ月中断してしまった場合の再開について、お伝えしておきましょう。数ヶ月中断してしまうと最初からもう一度かけ流しをすべきか迷う方が多いようです。かけ流しの内容は覚えたり理解するためのものではないので、その必要はありません。中断したところから再開するようにしてください。
ドリルやプリントに取り組む時間がありません。ドリルやプリントに取り組まないと書く力は身につきませんか?
パルキッズに付属しているドリルやプリントは「書く力」を身につけるためと思っていらっしゃる方が多いかもしれませんが、この取り組みは「読む力」を身につけるための取り組みです。つまり、オンラインレッスン内の読む取り組みや、副教材の『アイキャンリード』『アイラブリーディング』の取り組みと目的を同じとしています。つまり、それらの取り組み(読む力を身につけるための取り組み)ができていれば、無理にドリルやプリント学習を追加する必要はありません。
ではどういった場合にドリルやプリントの取り組みを追加するとよいのでしょうか。お子様によっては『アイキャンリード』『アイラブリーディング』などの音を覚えて暗唱するような取り組みが苦手な子もいます。特に真面目でロジカルな長子の場合は暗唱が苦手がケースが多いようです。その場合、絵本の取り組みがどうしても中断しがちになってしまいます。読解力育成の取り組みが停滞し、読む力をうまく育てることができません。そういったお子様の場合は、別の切り口で、得意な方法を使って読解力を育てることが重要です。その方法がドリルやプリントです。暗唱が苦手な場合、ドリルやプリントが得意であることが多いようです。もし『アイキャンリード』『アイラブリーディング』が停滞している場合は、取り組みを一時中断して、ドリルやプリントを代わりに導入してみるとうまくいくかもしれません。
小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。