パルキッズ塾 パルキッズ通信 | パルキッズプリスクーラー, 言語環境
2017年2月号パルキッズ塾
Vol.46 | 「パルキッズプリスクーラー」ってどんな教材?
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1702/
小豆澤宏次『「パルキッズプリスクーラー」ってどんな教材?』(株式会社 児童英語研究所、2017年)
昨年、中国は北京と西安でパルキッズの理論、そして取り組み方についての保護者向け講演会を行ってきました。
中国では昨今、早期教育への注目が高くなっており、特に富裕層の保護者は積極的にわが子に早期教育を受けさせています。聞くところによると、中国では保護者は躊躇無く教育にお金をかけるそうで、実際に中国の教育熱を肌で感じると、「日本は大丈夫かな?」と危機感を感じました。
さて、その講演会の中で、参加者の皆さんの頭の中を整理するために、私はまずこの質問からスタートします。
それは「わが子に英語を身につけさせようと思った時、まず何をさせようと思いましたか?」という質問です。中国の方は積極的です。次々と答えが返ってきます。「英会話教室に通わせる」。どこで話をしても、やはりこの答えが一番多いようです。
次に、「もし時間とお金を自由に使えるとしたら、それでも英会話教室に通わせますか?」と質問します。すると「いいえ、英会話教室ではなく、子どもと一緒にアメリカに行きます」と参加者のほぼ全員が答えるのです。
「なぜですか?なぜアメリカなのですか?」と聞くと、「環境があれば英語が身につくから」という答えが返ってきます。
整理をすると、皆さんは「環境があれば英語が身につく」ということを知っています。そしてその環境を探すのですが、アメリカに今すぐ住むことはできません。そのため、その代わりになるものを探すわけです。それが「英会話教室」ということになるのです。そして講演会では、「果たして英会話教室が適切な言語環境になり得るのか」を参加者とともに分析していきます。
この中で面白いのは、皆さん「言語環境」の重要性について、すでに気づいているという点です。
英会話教室が「言語環境」になり得るのかどうかという話は別の機会に譲るとして、パルキッズも「子どもに言語環境を与えることでバイリンガルに育つ」という理論のもとに作られています。そして、「適切な言語環境とは何なのか」ということを考え抜いた結果が、パルキッズの1日90分のかけ流しなのです。
今回は、パルキッズの取り組みをスタートした方が、まずわが子に与える環境である「パルキッズプリスクーラー」の役割と取り組み内容について見ていきましょう。
| パルキッズは4年間プログラム
パルキッズでは、(1)子どもたちは幼児期に言語環境に身を浸してあげることで、言語のリズム回路を身につけ、同時に(2)直感的にイメージで言語を理解できる語彙力を高めることができ、(3)最終的には「読書」ができる子に育てることが言語獲得・向上のために、最も自然で効率的な方法であると考えています。そのパルキッズとはどのような教材なのかを見ていきましょう。
パルキッズは4年間プログラムです。その4年間プログラムは前半2年、後半2年の2つに分かれます。今回は前半2年に取り組む「パルキッズプリスクーラー」について見ていきましょう。
最初に「パルキッズプリスクーラー」の対象となる子どもです。年齢は0歳から8歳です。これまでパルキッズで学習してきた子どもたちの成果を見ると、パルキッズのかけ流しの学習で成果を出しているのは10歳前後までの子どもたちです。そのため「パルキッズプリスクーラー」が10歳前後までに終了することを考えるとスタートの上限は8歳とするのがよいでしょう。
中には「パルキッズプリスクーラー」をスキップして、次の2年で取り組む「パルキッズキンダー」からスタートする子もいます。これは非常にレアなケースです。「パルキッズプリスクーラー」で獲得を見込んでいる語彙が約1,200語ですから、「パルキッズキンダー」からパルキッズの学習をスタートする場合は少なくとも1,000語程度の語彙が必要になるでしょう。
私の経験では、家庭内での会話が理解できるレベルの帰国子女、またはインターナショナルスクールに通っている子どもが「パルキッズキンダー」からスタートする場合が多いようでした。
| 「パルキッズプリスクーラー」で何が身につく?
さて「パルキッズプリスクーラー」の対象となる子どもは0歳から8歳までで、英語の語彙が1,000語未満の子どもということがわかりました。
続いて「パルキッズプリスクーラー」で達成される子どもの英語力です。「パルキッズプリスクーラー」を約1年間かけ流すことで、子どもは英語のリズム回路を身につけることができます。かけ流しを始めて1年を過ぎる頃には子どもには、英語が単なる音の連続ではなく単語単位で聞き取れるようになります。
つまり、英語のリスニング力の基礎となる力が身につきます。
また「パルキッズプリスクーラー」では朝起きてから寝るまでの家庭内での会話や、家庭外でも母親や父親と食事や買い物に出かけるというお話が中心です。つまり、親子間で交わされる会話が中心ということになります。そのため語彙や表現は、親子間の会話で使用されるものを身につけることができます。
また「パルキッズプリスクーラー」ではフラッシュカード、絵本を通して基礎概念を学べるようになっています。基礎概念とは幼児期の子どもが身につけるべき色・形・大小・数・量・空間認識・比較・順序・時間・お金といった概念です。
「パルキッズプリスクーラー」の2年間で、子どもたちにとって身近な内容を理解するための準備・学習を行うことができます。
| 「パルキッズプリスクーラー」はどんな取り組み?
続いて「パルキッズプリスクーラー」の取り組みの流れを簡単にご説明します。
「パルキッズプリスクーラー」の取り組みは大きく分けて4つあります。1つ目が1日90分の「パルキッズプリスクーラー」のかけ流しです。
2つ目が「パルキッズプリスクーラー」の内容と完全に連動しているオンラインレッスンです。こちらは1日3〜5分程度の取り組みになります。
3つ目がDVDの取り組みです。月の後半に5〜6回程度かけ流しと連動しているステップの映像を見せます。1回あたり10〜15分の長さのコンテンツを見せます。
4つ目がプリント学習です。「パルキッズプリスクーラー」では2種類のプリントをダウンローロして取り組むことができます。1つは「パルキッズプリスクーラー」の内容と連動しているレッスンプリント、もう1つは「パルキッズプリスクーラー」で学ぶ単語の書き取り練習をする単語練習プリントです。このプリント学習に関しては必須の取り組みではありません。できる子、または書くことが好きな子が任意で取り組むものです。自分でプリント学習ができる年齢になってから、復習用としてお取り組みいただくのでもよいでしょう。
今回は駆け足で、パルキッズプログラムの最初の取り組みである「パルキッズプリスクーラー」について解説して参りました。「パルキッズプリスクーラー」の取り組みに関しては、教材ご紹介ページで「パルキッズプリスクーラー」のかけ流し、オンラインレッスン、DVDに収録されている内容などをご覧いただけます。
すでに「パルキッズプリスクーラー」にお取り組み中の方は、「パルキッズプリスクーラー」の役割を再確認していただき、必要な取り組みができているのかをご確認いただけたのではないでしょうか。また、現在パルキッズの取り組みのスタートをご検討されている方は、「パルキッズプリスクーラー」の大まかな役割と内容をご理解いただけたのではないかと思います。本記事をご覧いただいたり、教材ページをご覧いただいた後に、ご不明な点がある場合は「教材えらびご相談掲示板」でご相談ください。
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小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。