2022年2月号パルキッズ塾
Vol.106 | 早期英語!子どものやる気スイッチを入れる3つの方法
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
https://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-2202/
小豆澤宏次『早期英語!子どものやる気スイッチを入れる3つの方法』(株式会社 児童英語研究所、2022年)
昨今子育てウェブコンテンツ界隈で、「やる気スイッチ」という言葉が注目されています。「やる気スイッチ」いいですね!私もそんなスイッチがあれば押してほしいものです(笑)。大人に関しては自分でやる気スイッチを押すしかないのですが、子どもの場合は、スイッチは親御さんの手にあることはご存じですか?
うちの子にやる気を出してほしい。そう思っていらっしゃる親御さんは少なくないはずです。でも子どもは自分でやる気スイッチを押すことはできません。すべては親御さんがどう導くのかにかかっています。
ここでは英語の早期教育について語る場なので、それに限定して「やる気スイッチを押す方法」を伝授したいと思います。3つしかありませんので、ぜひ実践してみてくださいね。
根拠なく驚き褒める
子どものやる気スイッチは何なのでしょう?それは「自信」と言い換えることができます。自信といっても大人のそれとは違います。特に幼児の場合の自信は「根拠」はまったく必要ありません。真面目で自分に厳しい親御さんであればあるほど、子どもの自信に根拠を求める傾向にあります。繰り返しますが子どもの自信に根拠は必要ありません。なぜならその根拠は根拠にならないからです。
例えば子どもがりんごを見て「It’s an apple!」と言ったとします。これで子どもの英語力が高いと思いますか?成果として実感できますか?単純にかけ流しの音、テレビや街中で聞いた音、または幼稚園で誰かが言っていたのを真似しただけかもしれません。本当にそれがりんごであると認識して「It’s an apple!」と言っているかはわかりません。幼児のアウトプットとはこう言ったように、それが成果と直結するわけではありません。
しかし、そんなことはどうでも良いのです。大事なことは「It’s an apple!」と口に出したことはすごいことであることを子ども自身に認識させるということです。英語を口に出したり、オンラインレッスンで正答を選んだり(適当かもしれませんが)したら、すかさず驚いてあげましょう。
親御さんが驚くというのは子どもにとっては良い意味でショッキングな出来事です。「えー!何?何なの?」となるわけです。周りが騒然として、しかもその後すごく褒められる。子どもからすると、鼻高々になるわけです。
こういった根拠なく驚き褒めるという行為が、子どもの自信につながり、やる気スイッチがオンになり、能動的な学習につながり、本当の意味での成果になるのです。
読めるようにする
先ほどは根拠のない成果で自信をつけるお話でした。次の成果は早期教育で一番最初に登場する根拠のある成果です。それは「読めるようになる」ということです。私は常日頃から親御さんとの話で、「本当の成果は読めるようになってから。それまでは成果ではありませんので、日々の子どもの行動や反応に対して一喜一憂するのではなく、無条件で驚き褒めてあげましょう」とお伝えしています。
なぜ「読める」ことが本当の成果となるのでしょう。子どもたちは普段、自分が英語がどれだけできるのか意識することはありません。しかし、読めるようになると「あれ?何でこれが読めるんだろう」ということにハタと気づく瞬間があります。そしてそれができる人が周りに少ない場合は、これが読めるということは当たり前ではないことに気づきます。
子どもたちは当たり前ですが、まだまだ心が幼いわけです。周りと比較することでしか自分を客観視し、評価することしかできません。周りはできないけど自分はできる。それは子どもたちにとって英語教育における大きな自信のひとつになります。そしてその自信によって、やる気スイッチがオンになるわけです。
どうやったら読めるようになるかについては、ここでは詳しく解説はしませんが、簡単に言うと日本語と同じです。絵本を読み聞かせしてもらって、拾い読みができるようになって、辿々しく音読ができるようなり、そして音読の精度が上がり、読書ができるようになる、この流れを英語でもやれば良いというやり方です。最初の一歩は絵本の読み聞かせです。パルキッズの場合だと『アイキャンリード』がそれに該当します。日本語で二語文が話せるようになったら(二歳前後)すぐにでも『アイキャンリード』をスタートしましょう。それが将来の子どものやる気スイッチにつながります。
英検に挑戦する
最初にご紹介したのが、親御さんが直接的に自信を与える、次が子どもが自分自身に自信を与える、そして最後が社会が自信を与える段階になります。
社会が自信を与えるというと少々大袈裟ですが、要は家族以外のパブリックな存在に「すごいと認めてもらう」ことです。その一番わかりやすいのが賞状をたくさんもらうということです。私も多くはありませんが、賞状をもらった経験があります。今思い出しても嬉しかったことを記憶しています。子どもにとっての賞状は親御さんが思っている以上に特別なものなのです。
さて早期英語教育において賞状をもらえる機会というのは英検、TOEICなどの検定試験が最もわかりやすいでしょう。ただ、小学生でも受けやすい点、それから合否がはっきりとわかるという点において英検が最もおすすめです。
英検に合格することで、子どもの自信は大きくなります。これは間違いありません。「自分はすごい。自分はできる」そう確信できるのです。もちろん親御さんも手放しで褒めてあげてください。「合格できたけど点数は満足できなかったね」といった余計なアドバイスや指摘は必要ありません。賞状をもらえたことがすごいことなのです。合否が紙一重の時もあるでしょう。しかし、運も実力のうちです。自信さえつけば、子どものやる気スイッチがオンになり、間違いなく英語の実力は上がっていきます。
今回は「自信」をキーワードに、早期英語教育における「子どものやる気スイッチ」をオンにする方法をお伝えしてきました。上記3つの方法と親御さんの声がけ次第で、子どものやる気スイッチは簡単にオンにすることができます。我が子のためにも、そして親御さんご自身のためにも、やる気スイッチをオンしていきましょう。
小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。