10万組の親子が実践した幼児・小学生向け「超効率」英語学習教材のパルキッズです。


カートを見る
ログイン
パルキッズCLUB

パルキッズ通信 特集 | , , , ,

ヘッダー

2011年8月号特集

Vol.161 | 英語がデキル人とデキナイ人

子どもも大人もデキル!簡単バイリンガル術

written by 船津 洋(Hiroshi Funatsu)


※本記事のテキストは無料で引用・転載可能です。引用・転載をする場合は必ず下記を引用・転載先に明記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/tokushu-1108
パルキッズ通信2011年8月号特集『英語がデキル人とデキナイ人』(著)船津洋 ©株式会社 児童英語研究所


| 英語からは逃げられません!

 英語。この言語を身につけたい、と誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。そして、勉強してみるものの、思うように理解が進まず、だんだん嫌になってくる。しかし、高校入試や大学入試での必須科目であることから、嫌々ながら勉強はせざるを得ない。
 ただ、そんな勉強に追われてばかりではつまらない。実際に使える英語を身につけたい。洋画を字幕無しで鑑賞したり、CNNなどで海外のニュースに触れたり、外国人の友人を作ったり、はたまた外国旅行をより一層楽しむためにも、テストのための英語ではなく、リスニングやスピーキングの能力を向上させたい、とどなたでも感じたことでしょう。
 もっとも、近年では入社試験でも英語力、管理職になるなら英語で会議が出来ないといけない、しまいには、英語が出来ないと降格させられてしまう。そんなご時世なので、前記のような楽しむための希望ではなく、切実な問題として、使える英語力の獲得と向き合わざるを得ない状況ですね。
 学校における「受験英語」はもちろん必須ですが、それに加えて、「使える英語」も今までのように “選択科目” ではなく “必須科目” となりつつあるのです。怖い話ですね。


| 子どもならラクラク!!

 ところで、その「使える英語」ですが、なぜにこれほどにも獲得が困難なのでしょうか。相当のコスト、金銭的、時間的な犠牲を払いながら、一向に身につけることが出来ないでいるのです。もちろんこれはオトナの話。子どもたちは簡単に身につけていますよ。
 しかし、こんなにも英語を身につけることに四苦八苦している私達ですが、「英語を身につける」というこの点を冷静に見てみれば、それほど難しいことではない事は明らかなのです。
 英語を身につけられないでいる大半の人たちを尻目に、ちゃっかりと英語を身につけている人たちがいるのです。アメリカ人なら、誰でも2歳くらいまでには英語を身につけますし、「パルキッズ」で学習中のお子さん達も2年くらいで英語のベースの回路は出来上がります。


| 成功する人のタイプは?

 もちろん英語を身につけているのは子どもたちばかりではありません。高校で留学した子達は英語が出来るようになりますし、大学留学でも “語学留学” 自体が目的の短期の留学生を除く、 “学位取得” を目的としている人たちは英語を身につけています。英語を身につけている人たちは結構たくさんいるのです。
 何事も成功者に習うのが一番ですね。
 もちろん、大変な苦労をして英語を身につけた方、成功者の方々もいらっしゃいますが、楽をしたがるのが人の常。出来ることなら、楽して英語を身につけた、もしくは短時間で英語を身につけた人たちに習ってみるのはどうでしょう。
 要は、幼児達の言語習得方法か、もしくは留学生の身につけ方を参考にすればよいのです。
 
 さて、幼児期なら「パルキッズ」をかけ流すだけで1年でリスニングが出来るようになり、2年で英語の回路は出来上がります。また留学生なら4ヶ月から半年で、英語の聞き取りが出来るようになり、英語を訳さずに理解することが出来るようになります。
 あれ?大人の方が獲得期間が短いですね。
 そうなのです。大人の方が早く獲得しています。これは、両者の獲得する英語の質が異なるのですが、英語を獲得することに関しては両者に大差がないので、紙数の関係でこのあたりの説明は後日に回しましょう。
 ともあれ、大人の方が英語を獲得するに必要な時間は短いのです。これはグッドニュースですね。


| 英語ができない人の共通点

 幼児と留学生。両者に共通するのはいずれも、英語を日本語に訳すことなく理解している点です。そこで、リスニング力はひとまず置いておいて、「英語を訳さずに理解する」こと、これが出来るか否かを英語が出来るか否かの分かれ目と定めましょう。
 つまり、英語を訳してしまう英語の出来ない人たちが、英語を訳さずに理解できるようになれば、英語を身につけたと言えるのです。
 想像できますか?英語を訳さずに理解できている状態を。お子さん達は、日本語に訳すことなく英語を理解しているのです。同時に皆さんも英語が出来るようになれば、日本語訳が浮かばなくなるのですよ。’run’ を見れば「走る」 ‘have’ を見れば「持っている」と機械的に頭に浮かんでしまう私達からすれば、「訳が浮かばない」というのは不思議な感じですね。


| 「多読」は長いトンネル

 ところで、英語を身につける、つまり英語を訳さずに理解できるようになるための学習法ですが、やはりどう考えてもひとつしか見あたらないのです。そのポイントとは、使い古された言葉ですが、「多読」です。
 英語を身につけた人たち全員に共通しているのは、どこかの段階で「多読」をしていることです。逆に、この多読を飛ばしている人は、何年留学しても英語を身につけられていないのです。
 多読とは、長い長いトンネルをくぐるような作業です。手探りで進めど進めど、一向に先が見えてこない。入った途端に出口が見えているような短いトンネルならば、ほとんどの人たちが“あちら側”、つまり英語が出来るようになった人たちの側へとたどり着くことが出来るのでしょう。しかし、なんとも先が見えないのです。英語獲得へと通ずるこのトンネルの存在に気付く勘の優れた人はいるのですが、入ってみても、途中で引き返してしまうのです。

 そもそも、多読云々以前にいかに私たちが英文を読んでこなかったかに気付かなくてはいけません。中学校の英語の教科書を思い出してください。わずか100ページ程度の教科書で、しかも日本語の解説ばかり、英文の占める割合は三分の一程度でしょう。それを3年間学習しても、わずか100ページ足らずしか英文を読んでいないことになります。
 高校でもしかりです。中学生以上にはもちろん読みますが、お世辞にも多読と呼べるほどの量ではないでしょう。
 実際に思い返してみると、私は高校の留学時代に、随分たくさんの本を読まされました。それこそ毎日、英語の教科書1冊分くらいは読んだのではないでしょうか。そして毎日、好むと好まざるとに関わらず、成績を取るために英文を読み続けたのです。長いトンネルも一歩ずつ淡々と歩み続けることで、突然目の前が明るくなり、気付けば“あちら側”、英語を日本語に訳さずに理解できるようになっていたのです。
 多読に関しては拙著「ローマ字で読むな」や「英語の絶対音感トレーニング」に詳しいので、“あちら側”へと行ってみたい方は是非ご一読ください。


| 子どもは「耳から」でOK

 大人は多読で英語を身につけることが出来ます。ちなみに、多読は英語を身につけるための「数ある手段のうちのひとつ」ではありません。繰り返しますが、英語が出来るようになった人は必ず通った道なのです。“あちら側”へと通ずる唯一の道なのです。
 もちろん、幼児期は別です。
 幼児はその点、楽ですね。大人のように先のなかなか見えないトンネルをくぐる必要がないのです。「英語の音環境」を創り出していれば、耳から大量の音を仕入れていきます。意志を持って毎日本を読んだりしなくても、自然と耳にしているだけで、多読と同じような学習が出来てしまうのですから羨ましい限りですね。
 大人は多読で、幼児はかけ流しで、大量の英語の情報を取り込んでいきます。その作業を続けると、訳さずに英語を理解できるようになります。この点をもう少しだけ説明しましょう。


| 英単語は「価値」で身につける

 英語を身につけるために必要な、ベースとなる英単語は1000語程度です。わずか1000語程度ですが侮ってはいけません。この1000語が日常の言語活動の9割以上を占めているのです。つまり、1000語知っていれば、日常耳にする英語の9割以上を理解できることになります。しかし、ここで問題があります。
 そうです。その1000語を単語帳方式で、日本語訳とのペアで覚えていては役に立たないのです。基本の英単語は、意味ではなく「価値」で身につけなくてはいけません。価値とは単語の持つニュアンスのことです。例えば ‘run’ ならば「走る」ではなく「物や事が比較的速いスピードでスムーズに移動する」というイメージで想起することです。これが価値化です。
 この単語の価値化は、中学で習うような基礎単語1000語程度に繰り返し違う文脈で触れ続けることによって達成されます。 “I got a present.” “Dad got home late last night.” “Did you get the joke?” “The math problem really got me.” などなど、 ‘get’ を「手に入れる」だけではなく、別の文脈で触れ続けることによって、 ‘get’ の価値をそれこそ手に入れることが出来るのです。
 
 英語が出来るようになるためのキーワードは、「単語の価値化」です。そして、単語の価値化を促すには幼児期には「かけ流し」、大人は「多読」が不可欠なのです。かけ流しに多読、いずれもなかなか成果が見えてきませんが、淡々と続けた人たちだけが、トンネルのあちら側へと到達できるのです。
 お子さんのかけ流しはもちろんのこと、ご自身の英語学習もこの機会に始めてみてはいかがでしょうか。英語を訳さずに理解できるようになれば、さらに自信を持ってお子さんのバイリンガル育児に臨めるはずですよ。


次の記事『英検オンラインレッスン特集』


次の記事
英検オンラインレッスン特集

プロフィール

船津 洋(Funatsu Hiroshi)

株式会社児童英語研究所 代表、言語学者。上智大学言語科学研究科言語学専攻修士。幼児英語教材「パルキッズ」をはじめ多数の教材制作・開発を行う。これまでの教務指導件数は6万件を越える。卒業生は難関校に多数合格、中学生で英検1級に合格するなど高い成果を上げている。大人向け英語学習本としてベストセラーとなった『たった80単語!読むだけで英語脳になる本』(三笠書房)など著書多数。

この記事をシェアする

関連記事