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2014年02月号特集

Vol.191 | やっぱり英語ができる子は得をする!

あなたはどれだけ知っている?ひと目でわかる「今の受験」

written by 船津 洋(Hiroshi Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/tokushu-1402/ ‎
船津洋『やっぱり英語ができる子は得をする!』(株式会社 児童英語研究所、2014年)


| 受験シーズンまっただ中

 今年も受験シーズン到来。中学校から始まり、大学、高校と、受験生たちにとっては、いや受験生のご家族にとってもそわそわと落ち着かない日々が続いていることでしょう。
 十年一昔などとはよく言ったもので、子どもたちを取り巻く環境はまさしく10年単位で様変わりしています。20年ほど前からの「幼児英語ブーム」、続く「ゆとり教育」、そしてその反動からの「中学受験ブーム」…、それも少子化と不景気で沈静化しつつある今日、子どもたちへの教育に対する「親の姿勢」は二極化が進む一方です。その結果、子どもたちの学力も二極化が進んでいます。昭和の「一億総中流」時代、ドングリの背比べで、がんばり次第で何とかなる、そんな我々親の世代が受験生だった2、30年前とは隔世の感があります。今回は、このような子どもたちを取り巻く教育事情について、あれこれと思いを巡らせてみましょう。


| 受験と言えば?

 「受験」という言葉から真っ先に何が連想されるでしょう。大学受験でしょうか? 高校受験でしょうか?それとも中学受験、小学校受験、幼稚園受験かもしれません。はたまた大学院受験、などなど十人十色の答えが返ってくるでしょう。
 都市部では、幼稚園や小学校の受験もありますが、あくまでもそれは少数派です。一般的なご家庭にとっては受験を初めて意識するのは、おそらく「中高一貫校」への入学試験でしょう。
 中高一貫教育は、最近では私立ばかりではなく、公立でも次々と導入されています。高校受験がないので、中1の時から来たるべき6年後の大学受験へ向けて、安定した学習環境が得られるのが最大のメリットでしょう。
 また、一般的な公立中学校では、ほとんどの学生がその後高校へは進学するものの、大学進学までを考えていない学生も多く含まれているので、やはり大学進学を目指す友人たちに囲まれて学べる中高一貫校は、この点でも魅力ですね。
 しかし、少し都市部から離れれば、事情は一変します。中学受験はそれほど一般的ではありません。これは都市部も含めた中学受験全体にも言えることですが、長引く不況のため、親の方が「経済的に私立はちょっと…」と尻込みするような事情もあるでしょう。また、ひと段落してはいたものの、小学生人口が再び減少を続けていることもあり、中学受験者数は頭打ちの状態です。


| 偏差値?

 ところで、受験と言えば気になるのは「偏差値」。これは大学受験の場合ですが、大手予備校の「代々木ゼミナール(代ゼミ)・河合塾(河合)・駿台予備学校(駿台)」が出している大学偏差値が異なるのはご存じでしょうか。
 例えば、東京医科歯科大学と東京大学の「医学部」の場合を見てみましょう。まず、代ゼミの偏差値では医科歯科大:70に対して東大:71です。これだけ見ると、偏差値は1しか違わないので難易度に差はないようにみえます。しかし、河合の偏差値では医科歯科大が同じく70なのに対して東大は少し上がって72.5です。偏差値で2.5 違うと、これは「ちょっとの差」とは言い難いですね。「偶然」とか「運」では埋められない差です。それが、駿台の偏差値では、医科歯科大70に対して東大は78に跳ね上がります。こうなれば志望校変更ですね。
 この差はどこから来るのかと言えば、模試を受ける学生数の規模の差です。比較的幅広い受験生が受ける代ゼミの模試では、平均が低く中間層に固まるので成績優秀者たちの偏差値にばらつきが少ないのですが、受験者数の少ない、比較的学力の高い受験生が多く受ける駿台の模試では、優秀な子たちの間での差がよりクッキリと見えてきます。
 この傾向は中学受験にも言えます。中学受験の模試は優秀な子が受ける傾向にあるので、その中で偏差値50といえば、小学生全体から見れば決して平凡な数字ではありません。「優秀な子たちの中で平均的」という意味合いになるのです。
 すると、中学受験の段階では偏差値50でも、中学生になって県内で実施される共通のテストではいきなり偏差値が60とかそれ以上にグッと上がるといったことが起こります。これは、上澄みの中学受験生たちだけの勝負ではなく、すべての中学生を対象に裾野が広がったためです。先ほどの予備校による大学の偏差値の差と同じような現象です。


| 高校受験

 さて、中高一貫校へ進学する子どもたちは高校を受験しなくて良いので、6年間、安心して大学の受験勉強をすることができます。
 余談ながら、あまりに親が中学受験に熱を入れすぎて、本来ひとつの通過点であるはずの「中学入学」自体が目的化してしまい、合格とともに燃え尽きその後の学業がおろそかになる…、そんな現象も珍しくないようです。中学受験をお考えの向きは、ご用心ください。
 それはさておき、めでたく中学に合格したら、そこからがスタートです。とりあえず何とか引っかかって合格した子でも、がんばってトップに上れば、エスカレーター式の高校では「特待生」になれるかもしれません。そうなれば、親の学費負担はかなり軽減されます。せっせと勉強すべきですね。
 一方で、中学受験をしない大半の子たちには、「高校受験」が初の試練となるわけです。それまで、小学校では「元気に」「ハキハキ」「積極的に」取り組んでいれば、先生からは高く評価されます。つまり、あまり勉強はできなくても、積極性などでなんとか補うことができるのです。
 しかし、中学校へ入ると状況は一変します。これまでは、はっきり示されることのなかった自分の「学力」が、偏差値や順位という数字になって次々と目の前に明かされるのです。受験をくぐり抜けていない子にとっては、少しショックなことかも知れませんね。
 でも、仕方がありません。大人がどんなに糊塗しても、いくら本人が目を背けても、競争はすでに始まってしまっています。そして、がんばった子たちだけが、目標とする高校へと進んでいきます。
 あくまでも「ここだけの話」、偏差値50くらいの公立高校の先生から聞いた話ですが、大学進学事情に関してほとんどの子が「AO・推薦入試での進学」で「一般入試する子など皆無」だそうです。偏差値50の高校からでは、一般入試は無理であると言っているわけではありません。ただ、1つの挿話として理解してください。
 就職難が叫ばれる昨今、わが子を就職に有利な難関大学、さらに理系へ進学させるのであれば、地域でも1位2位を争う進学校へ進学させたいものですね。


| 大学受験

 さて、中学受験の洗礼を受ける場合もあれば、高校受験が初めての関門というケースもあるでしょう。しかし、やはり「受験」といえば、両者に共通する大学受験ですね(本誌をお読みの皆様は、お子さまを大学まで進学させる、と勝手に理解しております)。
 そんな大学受験事情は、様々変革を繰り返しています。耳新しいところでは、大学入試センター試験を1点刻みのテストではなく、アメリカの*PSAT(Preliminary Scholastic Aptitude Test 大学進学適性検査)に習ったのか、複数回受験できるグループ分け入学資格制度にするとか。この方針に関しては、学生から「数回のチャンスができて嬉しい」とか「1点刻みでないから安心」などといった声が聞かれますが、何ともはかない意見ですね。
 グループ分けといっても、やはり点数で分けられるわけで、1点差で上位グループに入れない子は生じます。また、複数回チャレンジできるということは、大学進学を希望する学生たちは、高校1年度から受験勉強を開始することになります。つまり、競争は早期化・激化するわけです。当たり前ですね。皆、少しでも上位のグループに選別されたいわけですから、高3になってから…ではなく、高1あたりからせっせと勉強する結果になるでしょう。
 教育は国家経営の根本ですから、この政策は国民としてはありがたいことです。でも当の学生としては…どうなのでしょう。
 また、当面の経過措置として、英検準1級やTOEIC780点以上を有する学生には、センター試験の英語を無試験で「満点」扱いとしてくれるとか…。さて、これに関してもう少し詳しく見て参りましょう。


| 受験と英語

 今年のセンター試験は「ゆとり」最後のセンター試験だそうですね。来年からは「脱・ゆとり」で、ゆとり教育の3割増しのカリキュラムで勉強してきた子たちが大学受験生となります。その意味で、今年の受験生は「ゆとり世代、最後の現役受験生」となります。
 さて、そのセンター試験、今年も無事に終了しました。皆様の中でも、腕試しや我が子の受験の下調べに、実施翌日の新聞紙上で問題を解いてみた方も少なからずいらっしゃることでしょう。かく言うわが社の関係者たちも、せっせと問題を解いてみたそうです。その結果『こんなに簡単だったっけ?』というのがその印象。
 ちなみに、生徒たちに英語の問題を解かせてみた結果、小5の女の子(英検準2級)が長文で半分得点できました。時間の都合ですべては解かせていませんが、彼女の実力では筆記部分のみで200点中120点、6割は取れるでしょう。高1のパルキッズ卒業生(準1級に近い2級の実力者)は190点。実際にセンター受験をしたパルキッズ卒業生からも『今年の英語は簡単?もちろん満点でした』という声が聞こえてきています。また、倅たちやスタッフも(若干のうっかりミスはあるものの)ほぼ満点でした。
 さてそこで、今年のセンターは簡単なのか?平均点はさぞや高いのでは?と、結果(中間値。1/24日現在)を見てみたところ、期待に反して英語の平均点は121点。約6割です。つまり、例年の平均点とほぼ同じです。「ゆとり、ゆとり」と繰り返すのは俗人的な一般化を地でいくようで実に気が引けますが、この結果を見ると、やはり名は体を表すのかなぁと気の毒になってしまいます。


| これからは難しくなります

 「大学全入時代」と言われて10年弱が経過しますが、望めば誰でも大学へ進めるご時世となっています。勉強しない子でも、しかり。もちろん難関校は無理ですが、誰でも「大学生になる」ことはできます。そしてこれも当然のことですが、大学へ進学したからといって必ずしも就職にありつけるわけではありません。
 また、仮にめでたく就職できたとしても、安定した豊かな生活が約束されるとは限りません。過酷な労働環境下、低賃金で社員を使い捨てる「ブラック企業」という新語が一般的になったのもここ数年のことです。
 しかし、これも一方的に企業に責任を負わせることは叶いません。なぜなら、時は平成。もはや企業が社員を守れる時代ではなくなりました。
 1960年代の高度成長期には、企業はぐんぐんと成長し続けました。主に製造業です。長く働いてくれる忠実な社員が求められ、企業側は終身雇用や年功序列でそのような社員を守ってきました。
 経済の状況だけではありません。産業バランスも大きく変化し、今日、製造業の従事者はピーク時の半分です。それを吸収したのが情報サービス業で、いまや日本人の労働者の半分は、情報サービス業に従事しています。
 しかも、この情報サービス業はインターネットの急激な発達に翻弄され続けています。あらゆる物がネット上で購入できる今、魅力的なウェブサイトがあれば店舗や販売員などは不要になり、デパートや家電量販店はショールーム化しています。
 必要とされる人材が次々と変化していく、そんな時代なのです。
 そんな時代だからこそ、子どもたちには、企業にすがって生きるのではなく、ひとりで生き抜ける力を身につけてあげることが必要なのです。


| 生き抜く力

 こんなことを書くと、アウトドア的なサバイバル術や自然観察などの学校の授業以外のところに、その答えを求めようとする向きもあるかもしれません。私自身、ボーイスカウトでしたので、自然とのふれあいから得られるものがたくさんあるのは知っていますが、こういった生きる力とは異なります。
 ここで言う「生きる力」とは、未知の事柄に出会ったときに、それから目をそらすのではなく、正面から向き合い粘り強く克服していく力なのかも知れません。
 最近の子どもたち(これまた一般化するようで気が引けますが)は「粘りがない」と言われています。
 例えば新入社員。企業に入ると学校の授業と違い、答えのない問題に次々とぶつかります。また、理不尽なことにも多々直面するでしょう。ここで粘りがない子は逃げ出してしまいます。
 企業側としては、せっかくリクルートして少なからずのコストを充てて教育した社員にすぐに辞めてもらわれては困ります。これらの未知の事柄にあたり「こんなのは自分が求めていたものではない」と切り捨てるのではなく、それに立ち向かい、社会において必要とされる能力を粘り強く学習し、身につけていく力のある若者たちを企業は求めるのです。
 では、そんな粘り強い子とはどんな子なのでしょうか?そして、彼らはどこにいるのでしょうか?
 いろいろな試練に直面して、諦めることなく、克服してきた子たちです。大学受験でいうならば、一般入試で大学入学を「勝ち取って」きた子たちがそうでない(AO・推薦入試の)子たちよりは、粘り強いと考えられるのかも知れません。また、難関大に入った子たちが、そんな粘り強さをもっている傾向にあるのかも知れません。だからこそ、粘り強い子たちを求める企業は、採用面接で「大学名」はもちろんのこと「選抜方式(一般入試か否か)」を学生に尋ねるのでしょう。
 子どもには、将来の夢や進路の方向に関わらず、念のため、しっかり勉強しある程度以上の大学(できれば理系学部)に行ってもらうのが、これからの時代のひとつの選択なのかも知れません。


| やはり英語

 しかし、日本というのは変わった国です。欧米の大学では、入学選考試験において「外国語」を最も重視するなどということはあり得ませんが、この国では理系・文系、国公立・私立の別なく、おしなべて英語力が問われます。しかも、かなり重要な部分を占めるのです。
 大学入試センター試験でも、英語は国語と並んで200点の重みを占め、一般入試でも必ずといって良いほど英語力が試されます。この傾向は私立大学、特に文系においては甚だしく、私立文系に関しては「英語の偏差値が進学できる大学の偏差値」といっても良いほど英語が重視されています。
 しかし、そんな現状があるにもかかわらず、既述のように日本人の英語力は向上していません。センター試験で6割が平均なのです。その程度であれば、パルキッズの卒業生なら小学生でも得点できます。彼らは中学生のうち、もしくは高校の早い段階で英検準1級は取得できるでしょうから、もう英語に悩まされることはありません(といっても、難関大学一般入試のレベルはセンターの比でないことを付け加えておきましょう)。
 また、様々な教育改革が試みられていますが、英語の重要性に関しては、改革のたびに高まる一方です。しかも、教育現場の固定化したシステム(従来の教育を受けた人たちが教師となり、生徒たちにその教育を伝承していくシステム)に修正を加えたり、進路を変更することは容易ではないことは誰の目にも明らかです。
 このように考えてみると、事の善し悪しは別として、日本にいる限り「英語ができること」が人生に資するのは間違いなさそうです。結局、「英語ができる子が得をする」という世の中はしばらく続くのでしょう。
 さて、「善は急げ」ですね。どうせやるなら、早いうち。早ければ早いほど、学習効率は高く、時間的・金銭的なコストは低くできます。先伸ばしにすればするほど、無駄な出費が積もるのです。今のうちに、英語はさっさとやっつけてしまいましょう。


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プロフィール

船津 洋(Funatsu Hiroshi)

株式会社児童英語研究所 代表、言語学者。上智大学言語科学研究科言語学専攻修士。幼児英語教材「パルキッズ」をはじめ多数の教材制作・開発を行う。これまでの教務指導件数は6万件を越える。卒業生は難関校に多数合格、中学生で英検1級に合格するなど高い成果を上げている。大人向け英語学習本としてベストセラーとなった『たった80単語!読むだけで英語脳になる本』(三笠書房)など著書多数。

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