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2019年3月号特集

Vol.252 | 英検に合格出来ない理由

常識では測れないパルキッズ達の英語力

written by 船津 洋(Hiroshi Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/tokushu-1903/
船津洋「英検に合格出来ない理由」(株式会社 児童英語研究所、2019年)


英検に合格出来ない理由

特集イメージ1 毎回恒例ですが、英検の結果が出るたびにたくさんの「合格しました」や「残念でした」といったご報告が寄せられます。『英検オンラインレッスン』の販売スタートから英検の報告はより増え始め、昨年の3級から2級までの「ライティングプリント」の登場で、特に準2級や2級の合格報告が増えているのは嬉しい限りです。
 ところで、英検対策といえば、本当かどうかは知りませんが、こんな感じでした。「4、5級はリスニング、3級は文法、準2級は読解力、2級は語彙力、準1級は留学でもしなければ無理で、1級になるともはや一般市民に手の届く代物ではない」。いかがでしょう。おそらく、多くの日本人にとっての「英検」というのは、このような印象ではないでしょうか。
 まぁ、そんな浮き世の「英検」に対する印象など、どこ吹く風なのが『パルキッズ』をお使いいただいているご家庭でしょう。一般的には小学生で英検準2級など「夢のまた夢」「わたしの子には無理」なのですが、準2級はおろか2級の合格者も珍しくなく、準1級に合格する猛者?もいるのが『パルキッズ』で育つ子どもたちの特長でしょう。
 しかしながら、『パルキッズ』を育てる親御さんは浮き世の落とし子、人後に落ちることなく英語で苦労されてきた方がほとんどなわけです。つまり、世の中の英検に対する一般的な常識も理解できる、というより、世の人々と “同じ感覚” をお持ちです。すると、どうなるのか?単純な話、世の中の常識とは全く異なる英語の育ち方をしている “パルキッズ(『パルキッズ』で英語が育っている子どもたちもそう呼びます)” たちに、世の中の古くさい、しかも間違えた英検対策を実践してしまう可能性すらあるのです。
 そこで、今回は、 “パルキッズ” 向けの英検対策を少し細かく見ていくことにいたしましょう。


英検は4ステージ

特集イメージ2 世の中の英検に対する印象は上に述べたとおりですが、パルキッズたちにとっての英検は違った様相を呈しています。パルキッズたちにとっての英検は、ざっと4段階に分けられて、それぞれに必要な技能が異なります。まず第一段階は「5・4・3級」、第二段階は「準2・2級」、第三段階は「準1級」、第四段階が「1級」です。
 これは一見して、世間一般とは異なることが分かります。世の中では、5・4級がひとまとまりで、3級のところにひとつ壁があります。多くの子どもたちが、この壁を破ることができません。ところが、パルキッズたちにとってはこの壁は存在しないのです。それでは、ひとつずつ見ていくことにいたしましょう。


パルキッズ達にとって存在しない「文法の壁」

特集イメージ3 3級のこの壁は「文法の壁」とでも呼べるもので、リスニングと若干の読解力で突破できる5・4級とは異なり、時制や態、相といった文の構造が少し複雑になることと、やや文が長くなること、長文が出題されることで、「英文和訳方式の理解」では時間的にも質的にも理解が追いつかなくなるのです。つまり、従来の学校方式の教え方のひとつの限界です。多くの学生はこの壁を突破できません。
ところが、繰り返しますが、「文法の壁」はパルキッズたちには存在しません。
 パルキッズたちにとって、5級から3級までのこの第一段階は「生活言語」レベルの英語力の試練としてひとくくりにされます。「生活言語」とは耳から入った英語を直感的に日本語に訳さず理解する言語運用段階で、年齢でいえば学齢期を迎える前の幼児たち、日本語年齢でいえば幼稚園児くらいの、読めるか読めないかの段階に相当します。このレベルの英語力を子どもたちに身につけさせるのが『パルキッズ』の十八番、面目躍如たるところですね。
パルキッズたちは聴解力は身についているので、5級は「生活言語」の獲得に加えて少しばかり読めれば合格できます。4級も同様です。5級と4級は、文法的には時制の導入の点で異なるのですが、時制などに囚われることなく英語を身につけてきたパルキッズたちにとっては、5級と4級の違いはおそらく、意識に上らないほどわずかなものでしょう。
 3級になると、長文らしいものも登場します。しかし、長文とも呼べないほどの短文ですので、ある程度スムーズに英文を読めれば時間的にも理解度的にもクリアできるレベルです。
 ちなみに、もののついでに書いておきますが、最近よく耳にするCEFR指標、文科省としては中学卒業時の目標はA1に置かれています(https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/tokushu-1711/)。英検協会によると英検3級がちょうどA1に相当するらしく、つまりは学校英語の中三時点での目標は英検3級と言い換えることができるようです。(http://4skills.jp/qualification/comparison_cefr.html)
 しかし、その目標(A1/3級)をクリアしている中学生は文科省の発表では半分以下、英検の合格実績では半分の半分にも満たないのが現実でしょう。要は、学校教育では少なくとも半数、多く見積もっても4人に3人がクリアできないのが英検3級なのです。パルキッズたちがいかに浮き世離れしているかお分かりでしょう。


「読解力」を育てる「素読」がもの言う準2級

特集イメージ4 さて、パルキッズたちと英検との関係の第二段階へと進めて参りましょう。
パルキッズでは、この第二段階の英検準2級をひとつのゴールと定めています。理由は簡単です。英検3級までだと、まだ読解力が定着していない可能性があるのです。スラスラ読めなくても、運や力業、若者に言わせれば “ワンチャン” で合格できてしまうのが3級、しかし、準2級となると読解力がなければ合格はできません。つまり、運では合格できないのが準2級以上なのです。
『パルキッズ通信』風に言い換えれば、「生活言語」から「学習言語」への橋渡しの段階が、この準2・2級の第二段階なのです。
 準2級以上が3級までと異なる点は、大きくふたつあります。
 ひとつ目は文章量が多くなる点です。長文が4つのセクションに増え、さらにテキスト量がかなりの割合で多くなります。受験者に対する合格率も3級以下では6割から8割あるところが、3割台へぐっと下がるのも準2級の特徴で、おそらくはテキスト量の増加と共に時間的余裕がなくなり、読解力も低いので合格へ至らないのでしょう。
 さらに、もう一点としては、語彙やイディオムが相当増えます。受験者にとっては馴染みの薄い表現法や語が次々と出てくるので、面食らってしまうのでしょう。そこで、世間一般では単語やイディオムの丸暗記が推奨されたりするわけです。
 しかし、パルキッズたちにとって、課題はひとつです。そう。読解力の確立です。
 もともと耳から入って来る英語は直感的に理解できるパルキッズたちです。そんなパルキッズたちの準2級対策としては、単純明快、目から入る英語を、耳から入る英語と同じように理解できるようになれば良いのです。
 そのためには大量の英文に触れなければなりません。しかし、その方法は「多読」ではありません。多読の準備段階とも呼べる「素読」が威力を発揮するのが、この段階です。つまり、『7-day English』などを使用して「文字記号の音声化訓練」を行うと良いのです。文字に書かれている英文を、音声として理解するのです。
 では、語彙やイディオム対策はどうすれば良いのでしょうか。この点に関しては心配はご無用です。さっと読んで理解できる読解力と、直感的な英語の理解力が身についている子は知らない語が登場しても臆する必要はありません。なぜなら、必ずしも知っている語やイディオムでなくても、消去法で答えにたどり着くことでができるからなのです。
 これも、おまけで付け加えておくと、文科省の高校生に対する英語の達成目標はCEFRのA2レベルか英検2級です。ところが、件の英語力調査ではA2の達成率はざっと3割、高校生の英検準2級保持者は15%、2級に至っては5%という数字も見られる有様です。パルキッズたちはもちろん、中学生もいますが小学生で英検2級を受験する子も多数見受けられます。
 世間では高校までの6年かけても越せない難所をパルキッズたちは小学生で越えてしまう。これまた世の中の英語とは随分とかけ離れた成果が『パルキッズ』で育つ子たちに見受けられるのです。


ライティングがポイントの2級

特集イメージ5 ちなみに、準2級に合格した後、2級合格に至るには少し時間がかかります。準2級の合格点に+10~13点くらいが必要になるのです。これは、何でクリアできるのでしょうか?
 ライティングは3級から導入されていますが、3級のライティングは30語あまり。つまり、質問に対する10語程度のステートメントとその理由を2つ書けば、それだけでクリアするレベルです。ところが、準2級になると、60語程度と分量は倍ほどになります。これはステートメントと2つの理由を列挙するだけではクリアできません。そこで、理由とその理由をサポートする根拠が必要になります。
 さらに2級となると3級の3倍の90語程度が要求されます。ひとつの理由に対してひとつのパラグラフを立てる程度の分量を書けなくてはいけません。言い換えると、それくらいを楽に書ければ、合格にぐっと近づくのです。


意見を持つこと,これすなわちライティング対策

特集イメージ6 さて、パルキッズたちの強みは、日本語に訳すことなく直感的に英語を理解するために必要な「生活言語」が身についている点です。この「生活言語」を「学習言語」に昇華させるための「つなぎ」のステップが準2・2級レベルでそのためには高い読解力が必要なことが分かりました。さらに、その読解力、つまり文字記号を音声に変換させる技術の訓練のためには、多読ではなく素読が重要であることも述べました。
 また、それだけで準2級は大抵クリアできるのですが、2級以上、準1級・1級を目指すにはライティングがポイントであることも分かりました。それでは、どのようにライティング能力を向上させると良いのでしょうか。
 答えは、歴史と時事にある程度以上の理解を示すこと、あるいは準1級以上では自然科学にも関心を持つことにあります。


「よくわからない」日本人

特集イメージ7 日本と欧米ではアンケート結果に大きな特徴的差が見られます。欧米では「自分の意見を持つこと」が重要視されます。もっとも、根拠に薄い主観的な意見ばかりの輩は手に負えませんが、それでも、意見がないよりはあった方がマシとされます。それは、アンケートの「イエス・ノー」としてもクッキリと表れます。
 一方の我が国日本。メディアで行われている意識調査の円グラフなどを見ると唖然とします。「そう思う・そうは思わない」を選べず「どちらでもない」「無回答」がかなりの面積を占めるのです。「どちらでもない」が本当にどちらでもなく、第三の意見があるのであれば救われますが、おそらく第三の意見があるのではなく、単に「わからない」のでしょう。まるで小学生、いい大人が恥ずかしくないのかと思ってしまいます。
 それはさておき、英検もしかり、高等教育や研究段階(つまり大学生)でもしかり、社会に出て一人前に立ち居振る舞うならば、何事に対しても、自分なりの考えを持たなくてはいけない。「わかりません」では困るのです。
 こんなことだから、専門家でもない素人コメンテーターをご意見番として、その人の意見を盲信するような愚行が日常的に繰り返されているのです。そんな生き方をするのであれば、それで結構ですが、自主性をもって社会を生きたいのであれば、時事に関する興味を持つことは必要で、時事の積み重ねである歴史に関心を持つのも自然な心理現象でしょう。


日々の親子の会話が重要

特集イメージ8 時事や歴史といっても、それほど大したものである必要はありません。「制服は廃止した方が良いか」「置き勉はありか」「スポーツは推奨されるべきか」「ゲームは制限した方が良いか」などなど、この程度の命題が与えられ、それに対して「はい・いいえ」のいずれかの姿勢を明確にし、その論拠を述べる程度ですので、お遊び程度です。
 このような命題は「ディスカッション・クエスチョン」と呼ばれたりします。英米では一般的な授業スタイルで、「何々について、いかに考えるのか」が日々繰り返されるのです。慣れてしまえばどんな子でも、しっかりとした意見を持つようになります。そして、それが繰り返されるうちに、時事に対しても疑問や意見を持てるようになるのです。
 簡単なところでは、「小学生にスマホを持たせるべきか」「小学校で英語を教えるべきか」といった子どもたちに近いテーマから、「レストランは禁煙にすべきか」「ゴミ収集は有料化すべきか」といった生活に密着したことや、政治レベルになれば「TPPに参加すべきか」「憲法九条は改正すべきか」と、ここまで来れば、準1級とか1級レベルの訓練にもなります。
 さらに、これができると就活の面接でもキラリと光ります。なぜなら、日本人は一般にこのようなディスカッションクエスチョン形式の対話に慣れていないからです。これらの事情に対して「わからない」学生を傍目に、議論を進めるリーダーとして面接官の目に映ること間違いなしです。
 これらの論題は、ディベートなどで積極的に取り上げられるので、小さいうちから慣れておいた方が良いでしょう。以上のディスカッションクエスチョン、または論題は「小学生 ディベート テーマ」などで検索すればヒットするので、そういったものを利用すればよし、また英語で検索すればいくらでもでてきます(http://iteslj.org/questions/)ので、子どもとの対話のテーマには事欠くことはないはずです。
 晩ご飯の時にひとつテーマを与え、一晩 ’sleep on’ させて翌日それについて話す。また、さらにテーマを与える。これを繰り返すだけで良いのです。英検オンラインレッスン』に付属のライティングプリントでは、このようなトピックがふんだんに用意されているので、それを活用しない手はありませんね。


立場に正誤はない、立場を持つことが重要

特集イメージ9 ちなみに、このような論題に対して正しい答えはありません。これがひとつ日本人の足を議論から遠ざけている原因ですが、どうしても「正しい答え」を探そうとしてしまいます。例えば「学校はもっと宿題を出すべきか」に対しては「はい」が正しい答えだと思ってしまうのです。そうではありません。重要なのは「正しい答え」を探すことではなく、論題に関しての「自分なりの答え」を持つことなのです。「宿題を出すべきではない」という立場も立派な立場です。それどころか、そちらの方から余程建設的な意見が飛び出すかも知れません。
 子どもたちとの対話では、常識的な意見を押しつけたり、そちらに誘導したりするのではなく、彼らから彼らなりの考え方を引き出すことが重要です。幼稚な意見が飛び出すかも知れません。しかし、それを否定するのではなく、子どもたちにさらに深く考えさせるように導くことが重要なのです。子どもたちとの対話では、この点に十分に気をつけましょう。


第三段階の「留学レベル」はどうクリアする?

特集イメージ10 さて、話を英検対策に戻しましょう。一般的には英検準1級以上で誰もが認める「英語ができる人」となり、英検1級を持っているとなると「英語オタクの出来過ぎ君」とでもなるのでしょうか。
 英検準1級を持っていれば「センターみなし満点」など言われますが、一般的な高校生では、2級の保持者ですら5%しかいないわけですから、準1級となれば稀有な存在なので、「満点あげても妥当かな」と文科省も感じているのでしょう。さて、その準1級のレベルとはいかがなものなのでしょうか。
 感覚的には、留学すると準1級を持っている人が多いようです。私自身、大学に戻り外国語学部の英語科で若者と席を並べる生活をしていたわけですが、私はリスニングテストの成績が1番良かったA・Bクラスに振り分けられました。2つのクラスにはそれぞれ25人ずつ、合わせて50人ほどの学生がいましたが、JJ(純ジャパ、海外経験のないにも関わらず英語に堪能な学生)は1割程度、その他は皆、留学組か帰国子女たちでした。私も、かれこれ35年も前のことですが、留学を経験しており、それ相応のクラスに振り分けられたことになります。
 さて、そんなAクラとBクラですが、英検1級保持者は知る限りで2割ほどです。もっとも、学問の世界では英検よりはTOEFLなどが重要視されるので、そちらで高得点をあげている学生も少なくありません。しかし、入学時は一部の例外を除けば、大抵は英検準1級レベルだと言っても間違いではないでしょう。
 そう考えると、英検準1級は結構高いレベルであることが分かります。さて、その準1級ですが、いかにしてクリアするのでしょうか。
 ここからは2級までとはステージが異なります。どのように異なるのかといえば、5級~3級までは「生活言語」、準2級・2級では「生活言語」と「学習言語」の橋渡しをしたわけです。つまり、準1級以上は「学習言語」を身につけていなくてはならないのです。では、「学習言語」とはどんなレベルの英語の運用力なのかといえば、単純明快「英語で大学の授業を受けられるレベル」です。つまり、英語で行われる授業を理解し、自分なりの意見を述べることができるレベルの英語力です。
 そのために必要なのは?留学するのも結構ですが、留学しなくても多読で解決できます。ちなみに、留学と多読とは、言語習得の面からすると基本的には同義語です。なぜなら、日本に居ながらにして英語を身につけたJJたちも、留学して英語を身につけた人たちも、結局は大量の英語に接することによって英語を身につけたからです。しかも、留学生も結局は宿題として出される英文との格闘によって英語を身につけたのですから、それすなわち多読と何ら変わらないのです。
 しかし、「多読」は「素読」とは違うので、「素読」に使われるような簡単なものを読んでいたのではいけません。それこそ、時事・歴史、自然科学など多岐にわたる読書が必要になります。一時期もてはやされた、いわゆるリベラルアーツカレッジで読まれるようなものを読めば良いのです(もちろん英語で)。それに最も良いのは英語の新聞でしょう。今日ではインターネットで無料で読めるので、こちらもディスカッションクエスチョンと同様にネタに事欠くことはなさそうです。


最後の砦、1級

特集イメージ11 さて、それでは英検1級対策ですが、これも準1級同様です。ただ、かなり幅広く社会の知識がないと、なかなか合格が難しいのが1級です。社会人レベルの英語の運用力が問われます。文書理解もさることながら、エッセイでは語彙や表現はもちろんのこと、文章の構成力も求められます。
 英検1級は対策というより、日常的な英語との関わりを継続することに、その合格の鍵がありそうです。
 現在『英検オンラインレッスン』は5級から2級まで販売しており、準1級は制作中です。1級に関しては、かなりのボリュームになることと、需要が少ないことから、手をつけるかどうか考えてすらいないのが現状です。もっとも、準1級までクリアできれば、あとは学習法というよりも、本人の意識と努力に関わることですし、おそらく、大半の親御さんたちよりも英語には堪能になっているので、それ以上は親がああだこうだ口出しすべきことばいないのかも知れません。

 さて、いろいろ書いて参りましたが、お気づきでしょうか。そうなのです、世間一般で推奨されている、「フォニックス」や「文法教育」、「単語暗記」、「英会話」などには一切触れずに、1級まで来てしまいました。
 「英検に文法が必要」という考え方は、パルキッズたちにとっては正しくない認識です。ずいぶん前の話になりますが、中1で英検1級を取得した子が、中学校の英語の先生を尊敬していたそうです。なぜならば、「英文法」という面白いものを教えてくれたからだそうです。つまり ‘I my me mine’ や ‘go went gone’ などです。わかりますよね。英語ネイティブたちはそんな奇妙な方法でそれらの単語を身につけることはないのです。言われてみれば ‘I my me mine’, ‘go went gone’ なのであって、そんなことは知らなくても英語は使いこなせます。我々日本人が、日本語の文語文法を知らなくても、日常的には全く意識せずに正しく動詞の活用を使えるのと同じことです。
 このように、世間で一般的な英語の学習法で学ぶ人たちと、『パルキッズ』で育つ子どもたちとでは、習得する英語の質が異なるので、必然的に英検対策の勉強法も異なります。パルキッズたちの英検受験は、どちらかと言えば、日本人ではなく英語ネイティブが英検を受けるのに近いのです。
 「うちの子には他の子とは違う英検対策が必要なんだな」と漠然とでも感じていただければ、本稿を書いた甲斐もあるというものです。少しでもお子様、パルキッズたちの英検合格にお役に立てれば幸いです。


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プロフィール

船津 洋(Funatsu Hiroshi)

株式会社児童英語研究所 代表、言語学者。上智大学言語科学研究科言語学専攻修士。幼児英語教材「パルキッズ」をはじめ多数の教材制作・開発を行う。これまでの教務指導件数は6万件を越える。卒業生は難関校に多数合格、中学生で英検1級に合格するなど高い成果を上げている。大人向け英語学習本としてベストセラーとなった『たった80単語!読むだけで英語脳になる本』(三笠書房)など著書多数。

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