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2013年05月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.23 | ハワイの私立学校/プナホウ校編

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal1305/
船津徹『ハワイの私立学校/プナホウ校編』(株式会社 児童英語研究所、2013年)


 人口140万人、沖縄県とほぼ同じ規模のハワイには大小120もの私立学校があります。ハワイで最も伝統ある私立学校は1841年創立のプナホウスクールです。1841年といえば日本では老中水野忠邦による天保の改革が始まった年ですから、その歴史の長さがご想像いただけると思います。プナホウ校はオバマ大統領の母校であることから一躍全米に知られるようになりました。
 プナホウ校は幼稚園から高校まで(K-12)の一貫教育校で、大学進学率はほぼ100%。進学先の大学リストにはハーバード大学やイエール大学など世界最難関とされるアイビーリーグ8校を始め、スタンフォード大学、MITなど全米の名門大学が名を連ねます。
 プナホウ校で入学枠があるのが、幼稚園、4年生、6年生、7年生、9年生です。受験では、学力テストの他、学校の成績、先生の推薦状、スポーツや芸術分野での活動実績、ボランティア活動経験などを総合評価します。日本の受験のようにテストで高得点をとれば合格できるわけではないので、子どもの個性をいかに伸ばし、アピールできるかが合格を勝ち取るカギとなります。


|バイリンガルのプナホウ受験

 よく日本人の父兄から「プナホウ校の幼稚園受験をしたいのですが」と質問を受けます。ハワイの私立学校は日本に比べて入りやすいと思っている方が多いのですが、プナホウ校に関して言えば、日本の名門校と同様、数少ない定員枠をめぐって熾烈な競争があります。また、日本人だから英語が多少できなくても大目に見るということはなく、同年代のネイティブの子どもと同レベルの英語力を備えていることが最低条件です。
 バイリンガルの子どもの言語発達は「母語」→「第二言語」という順をたどります。幼稚園受験をする年齢は4、5歳ですから、英語力の発達はネイティブよりも遅れているのが普通です。もちろん英語プリスクールなどに通っていれば日常会話はこなせるでしょうが、私立校受験で要求されるのは、日常会話以上、すなわち複雑で高度な思考と表現力を持ち合わせた英語運用能力です。


| 幼稚園受験の注意点

 幼稚園受験を焦るあまり、両親が日本人なのに、子どもを「英語漬け」にするケースがあります。情緒、感性、思考など、人格形成と学習活動の基盤となる「母語」が発展途上の子どもに不自然な言語環境を与えると、英語力が伸びるどころか、英語も日本語も発達が悪い「ダブルリミテッド」に陥ることがあります。
 子どもの英語力を伸ばしたければ、まずは母語である日本語を親子の愛情溢れる関わり合いを通して育成しなければなりません。親がバイリンガルである場合を除き、子どもとのコミュニケーションは親の母語で行なうことを心がけてください。英語に関しては音声教材を活用する、あるいは英語ネイティブの先生とのコミュニケーションの中で育成することが理想です。


|自己表現できる子どもに育てる

 日本では相手に「察し」を期待した非言語コミュニケーションが通用しますが、欧米社会では、子どもであっても、自分の考えを言葉で表現することが求められます。子どもの言葉は、親がほんの少し対応を変えるだけで、驚くほど変化します。幼い頃から自分の考えを言葉で表現するように促されて育った子どもは、英語でも豊かな自己表現力を発揮できるようになります。
 プナホウ校は学術、芸術、スポーツにおける優れたリーダーの育成を目的とした学校です。校風は自由で生徒の自主性を重んじます。言い換えれば、自分から行動を起こせる生徒でなければ通用しなということです。日本人の子どもは、控えめで発言や行動をためらう傾向があります。欧米の名門校を目指すのであれば、何よりも、子どもの自主的な積極性を伸ばす子育てが必要です。


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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