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2022年10月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.136 | 子どもの「強み」の伸ばし方

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2210
船津徹「子どもの「強み」の伸ばし方」(株式会社 児童英語研究所、2022年)


子どもの才能を伸ばしてあげたい
子どもに強みをつけてあげたい
子どもの自信を大きくしたい

 親であれば子どもが生来持つ可能性の芽を大きく伸ばしてあげたいと思うことでしょう。ところが、子どもの良い面が分からない、子どもが何に向いているのかわからない、子どもの素質がわからない、何が得意なのかわからないという親がたくさんいます。
 さらに「言うことを聞かない」「グズグズしていている」「優柔不断」「勉強をやりたがらない」「整理整頓ができない」と、子どもの悪い面ばかりが目についてしまうというケースも多く見られます。
 私はこれまで30年以上教育に携わり5000人を超える子どもたちを見てきました。私の経験から断言できますが、特性がない子など一人もいません。どの子にもキラリと光る部分、人とは違う部分、興味や関心の強い部分など「特性の芽」があります。ただ多くの親がそれに気づいていないのです。


強みと弱みは表裏一体

 四六時中子どもと一緒に過ごしていると、どうしても子どもの「悪い面」「ダメな部分」が目につくようになります。しかし、「良い面」と「悪い面」はコインの表と裏の関係であり、同じ一つの心の働きなのです。問題は親が「どちらに目を向けるか」です。
 たとえば、「落ち着きがない」は、多くの親に共通する悩みですが、「活発でやる気がある」「好奇心が旺盛」という「強み」でもあります。「落ち着きのなさ」を「強み」と捉え、活発な運動が要求されるスポーツに参加させたり、好奇心を刺激するような遊びや学びの環境を用意してあげると、それまで見えなかった子どもの「強み」が覚醒してくるのです。
良い面に目を向け、伸ばしてあげると、相対的に「弱み」は目立たなくなっていきます。もちろん「落ち着きのなさ」が子どもから消えてなくなることはありませんが、強みが大きくなる分だけ弱みは目立たなくなるのです。
「うちの子には優れた部分はない!」「何もかも人並み!」という方は、子どもの悪い部分の裏に隠れている「強み」を見つけてみましょう。紙と鉛筆を用意して、子どもの「悪い面」を思いつくだけ書き出してみてください。
「やる気がない」「落ち着きがない」「衝動的」「飽きっぽい」「うるさい」「意気地がない」「臆病」「人見知り」「お人好し」「マイペース」「優柔不断」「頑固」「こだわりが強い」‥‥良い面は出てこなくても、悪い面ならたくさん見つけられるのではないでしょうか。
 悪い面を書き出したら、悪い面の反対にある「良い面」に目を向けてみましょう。繰り返しますが、子どもの悪い面と良い面は一つの心の働きです。問題はどちらを見るか、なのです。以下を参考に子どもの悪い面の裏側にある良い面を書き出してみましょう。子どものキラリと光る特性の芽に気づくはずです。

落ち着きがない→行動力がある
飽きっぽい→好奇心旺盛
いいかげん→おおらか・前向き・楽観的
ふざける(お調子者)→ユーモアがある
おっちょこちょい→行動的
うるさい(おしゃべり)→言語力が高い、社交性がある
人見知りが激しい→観察力が高い
意気地がない(臆病、気が弱い)→慎重、誠実
お人好し→優しい、共感力が高い
八方美人→共感力が高い→協調性が強い
おっとりしている→慎重→メンタルが強い
行動が遅い→慎重、思慮深い
言うことを聞かない→意志が強い
単純→素直
心配性→慎重、思慮深い
頑固(我が強い)→芯が強い、誠実


兄弟姉妹や周りの子と比較しない

 子どもが幼稚園や小学校に通うようになると、兄弟姉妹や周囲の子どもと比較する場面が多くなります。すると、再び子どもの「弱点」「悪い面」「劣っている部分」に目が行くようになります。しかし、子どもの特性を伸ばしてあげたいのであれば、悪い部分は無視しなければなりません。
 このルールは勉強面にも当てはまります。「国語はまあまあ得意だけど算数が苦手」という子どもには、得意である「国語」をさらに勉強させてずば抜けさせてあげると「算数の克服」にもつながっていきます。得意分野が一つできると「自分はできる」という自信が大きくなります。すると「苦手な算数にも挑戦してみるか!」という「意欲」が湧き上がってくるのです。
 弱点の克服は子どもにとって(大人にとっても)楽しくないのです。また親が悪い面をつついてばかりいると、子どもは自分の悪い面を過剰に意識するようになり、さらに悪い面が大きくなるという悪循環に陥るので注意が必要です。
 子どもに対して絶対に使ってはいけないのが「比較言葉」です。「お姉ちゃんができるのになんであなたはできないの!」「となりの子はできるのにどうしてあなたはできないの!」このような親の言葉に子どもの心は深く傷つきます。「自分はできない」という劣等感を子どもに植え付けないためにも、比較言葉は即刻封印してください。
 代わりに1日だけで構いません。子どもの悪い面には一切触れずに、良い面だけをほめて過ごしてみてください。「大きな声で挨拶できてえらいね」「ご飯をいっぱい食べてくれてママ嬉しい」「一人で本が読めてすごいね」「お手伝いしてくれてママ本当に助かるわ」という要領です。たった1日で、子どもの表情がみるみる明るくなっていくことが実感できるはずです。
 子どもをほめる時のポイントは、なんとなくほめるのでなく「良い面を具体的にほめる」こと。
「パズルが本当に早いね。ママはかなわないわ」「絵の色の使い方がユニークだね。絶対に思いつかないわ」「本当にやさしいね。お友だちにいつも仲良くできるのは凄いことだよ」「ダンスの動きがキレキレだね。身体の軸がしっかりしている」「英語の発音がきれいだね。まるでネイティブみたい!」と、子どもの持つ良い部分を「具体的に」ほめてあげると、子どもは良い面をより強く意識するようになり、実際にその部分が伸びていきます。
「元気に挨拶できてすごいね!」と母親からほめられると、子どもは本当に誰にでも元気で挨拶できるようになります。すると周りの人からも「上手にあいさつできるね」とほめてもらえる好循環が生まれるのです。
「ごあいさつしなさい!」と命令しても、その時だけで終わってしまいます。子どもが上手にできない時は、親が挨拶の手本を示してあげてください。毎朝子どもに「おはよう!良く眠れたかな」と元気な笑顔で挨拶していれば,子どもも同じようにできるようになります。


子どもを観察して「強み」を見つける

 子どもに強みをつけたければ、くれぐれも悪い面には触れずに、良い面を伸ばすことに集中してください。「ほめてばかりいると子どもが天狗になるのでは?」と心配されるかもしれませんが、子ども時代は自信過剰気味でちょうど良いと思ってください。
 現代社会には子どもから自信を奪う落とし穴が蔓延しています。少しくらい自信過剰でなければ、簡単に自信喪失してしまうのです。学校の成績、受験、友だち関係、男女関係、習い事や部活の実績など、子どもは成長の過程で数多くの壁を乗り越えていかなければなりません。
 子どもが困難を乗り越え、自分らしく自己実現していくには、親は子どもの良い面を伸ばしてあげることに集中することが大切です。子どもは自分の悪い部分や苦手な部分については理解しているのです。親の仕事は子どもが自分の良い面に自信を持てるように応援してあげることです。
 子どもの「良い面」や「強み」がわからない。という方は以下の質問に答えてみてください。子どもの強みの芽、好きなこと、関心あること、得意なことなどが見えてくるはずです。

・何をしている時に一番集中しますか?
・どんなおもちゃ(ゲーム)で遊ぶのが好きですか?
・一人で遊んでいる時に何をしていますか?
・どんな本を読むのが好きですか?
・どんなテレビ番組を見るのが好きですか?
・誰と遊ぶのが好きですか?
・家族と何をして過ごすのが好きですか?
・家の中と外、どちらで遊ぶのが好きですか?
・子どもの身体的特徴(背が高い・容姿端麗・俊敏など)は何ですか?
・子どもの性格を一言で表すと?


小学校時代に強みの芽を見つける!

「溺れる者はワラをもつかむ」ということわざがあります。危急の時には人はワラにでもすがりたくなるものです。子どもが挫折、失敗、困難などに直面した時に「ワラ」の役割を果たしてくれるのが「強み」です。
 子ども時代に「強み」を持てないと青年期になって学業でつまずいたり、人間関係でトラブルに直面したり、受験が上手くいかなかった時などに「自分はダメだ」「自分は無理だ」と自信喪失する傾向が強くなるので要注意です。
 子どもの強みの芽を育てる最適期は「児童期」です。まだ競争が激しくなく、体力差や技能差もさほど大きくありませんから、周囲の子よりも少し多く練習するだけで、どんな分野でも頭一つ突き抜けることができます。
 子育て上手な親は、子どもの好きなことの芽、やりたいことの芽、得意なことの芽を見つけては、水と栄養を与えて大切に育てています。絵が得意、歌が得意、楽器が得意、サッカーが得意という「強み」を持たせてあげると、子どもの自信は大きくなり、どんな困難にも負けない「メンタルタフネス」を手に入れることができるのです。
 スポーツ、音楽、アートなどの練習をコツコツ続けてきた子どもは「がんばることは当たり前」という習慣が身につきます。一生懸命努力をすれば必ず結果につながることを経験しているからです。この習慣が身についていると勉強にも向き合えるようになります。「自分はできる」という自信があるから、勉強だって「やればできる!」と心の底から思えるのです。
 理想は小学校時代に何か一つ「勉強以外の強み」を見つけてあげることです。勉強は誰もがやることなので競争が激しく、強みになりづらいのです。もちろん中には記憶力抜群の天才肌の子もいるでしょう。それでも勉強以外に強みを持たせてあげることが理想です。
 スポーツ、音楽、ダンス、アートなどの練習を通してメンタルタフネスとチャレンジ精神を有した子どもに育てることができれば、人生のいかなる苦難をも乗り越え、あきらめずに努力を継続できるたくましい大人に育ちます。
 勉強と習い事の両立は時間的に難しい、あるいは子どもが忙し過ぎて可哀想と思うかもしれません。しかし、勉強と習い事を両立してきた子どもは、限られた時間を有効に使う力=タイムマネージメント能力や、勉強で行き詰まった時に気分転換する方法=ストレスマネージメント、そして短い時間で集中して物事に取り組む力をごく自然に身につけていくのです。親が無理だと思わずに、勉強以外の強み育てをぜひ実行してみてください。


周囲より少しだけうまくしてあげることがコツ

 子どもの強みの芽を特技レベルに引き上げるには長く続けることが必要です。ところが多くの子どもが、最初は楽しんで通っていた習い事を「やりたくない!」「やめたい!」と言い出すのです。
 理由は「うまくできないから」です。
 うまくできないことをやるのは楽しくないのです。周囲の子よりもうまく泳げない子どもを水泳教室に入れても挫折感を味わわせるだけです。周囲の子よりもドリブルが下手な子をサッカー教室に入れてもやる気を失わせるだけです。子どもにもプライドがありますから、まずは家庭で基本的な技術を教えてうまくしてあげなければいけません。
 親が子どもの練習に協力して、周囲より少しだけ技能を高めてあげると、子どもは「自分は人よりできる!」という自信を持ちます。すると「もっとうまくなりたい!」と自分から練習に励むようになるのです。
 水泳であれば、1ヶ月間毎日プールに通って練習をすればあっという間に周囲の子どもから頭一つ突き抜けることができます。もちろん親も毎日つき合うのは大変ですが、子どもに「強み」という武器を持たせてあげるための努力ですから、やらない理由はありません。
 親がサポートして技能を高めてあげると、そこから先は、子どもが自主的に努力するようになっていきます。ライバルに負けたくないから自分から練習して上を目指すのです。どんな習い事でも親がサポートしてうまくできるようにしてあげると「楽しさ」が生まれます。その楽しさが自主的な「やる気」を作り出すのです。


ハワイイメージ1【編集部より】
船津徹先生の新著『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』(KADOKAWA)全国書店にて発売中。困難に負けない「心の強い子」の育て方を詳しく紹介する一冊です。ポストコロナを生き抜くたくましい子どもを育てる知恵が満載です。ぜひご一読ください。▶︎詳細・お申し込みはこちらをクリック
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2210年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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