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2024年6月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.155 | 英語が世界共通語になる日

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2406
船津徹「英語が世界共通語になる日」(株式会社 児童英語研究所、2024年)


 2023年現在、世界の英語話者人口は14億6千万人と推定されています。これは世界人口の18.07%に相当し、ほぼ5人に1人が英語でコミュニケーションが取れるということです。近年、世界の英語人口は急増しており、2019年の11.3億人から2023年の14.6億人と、5年間で3億3千万人増加しました。
 英語人口の増加に関して特筆すべきが、英語を母語とする人の数は2019年から2023年でほとんど変化がなかったことです。ご紹介した「5年間で3億3千万人の増加」は、ほぼ全てが「英語を第二言語で話す人」で占められています。現在の英語話者の内訳は「母国語26%、第二言語74%」であり、母語話者よりも第二言語として話す人が圧倒的に多い言語は世界で「英語」だけです。
 英語を公用語または準公用語とする国も増えています。2022年現在、世界195ヶ国のうち67カ国(34%)で英語が公用語または準公用語として採用されています。さらに、英語を公用語としていない国々でも、例えばノルウェー、デンマーク、オランダなどの北欧やヨーロッパの国々では、多くの国民が英語を流暢に話すことができます。
 日本の英語力が停滞する中、世界に目を向けると「英語共通語化」の流れが急速に進んでいるのです。今や世界中の主要な国や地域で英語が通用し、ビジネス、学術研究、医療などの先端分野での共通語は英語です。またインターネット情報の6割以上が英語で提供されており、英語ができなければ、あらゆる分野で遅れを取ることになります。


英語教育に本気で取り組むアジア諸国

 人口2300万人の台湾は、国際社会での生き残りをかけて「2030年バイリンガル国家政策」を法制化し、英語公用語化に取り組んでいます。2030年までに英語と中国語のバイリンガル国家になることを目標に、学齢期の子どもたちと公務員に焦点を当てて英語教育を強化しています。
 台湾では外国人教師が不足しているため、主にオンライン学習を活用して英語力の強化を行っています。国家主導の英語力強化は成果を上げており、2019年の国別英語能力指数(EF EPI)では、台湾は38位(標準的英語レベル)とランキングを上げてきています。ちなみに、同年の日本のランキングは53位(低い英語レベル)で、東アジア諸国で最低レベルです。(香港33位、韓国37位、中国40位)
 20年前までは日本と並んで「英語下手」で知られていた韓国も急速に英語力を伸ばしています。2017年のTOEFL iBT平均スコアを見ると、アジア29カ国中11位と、英語が公用語である香港と肩を並べるレベルまで英語力を向上させています。
 韓国が英語に向き合うきっかけとなったのが、1997年に起きたアジア通貨危機です。韓国ウォンが暴落し経営難に陥った韓国企業はグローバル化を進めました。この改革は成功し、サムスン電子、現代自動車、LGエレクトロニクスなどが国際社会で活躍するグローバル企業へと躍進したことは記憶に新しいと思います。
 通貨危機をきっかけに韓国政府もグローバル化政策に取り組み始めました。1997年の英語教育改革で小学3年から英語を正式教科とし、学習内容も受験を念頭に置いた文法訳読法からリスニング、スピーキング、ライティングなど、実用性重視のカリキュラムへと方向転換したのです。
 韓国社会のグローバル化拡大に伴い、受験や就職においても「高い英語力」が要求されるようになりました。大学受験の英語試験は難化し、高校卒業時に求められる英語力は「CEFR B2/英検準1級〜1級」レベルへと上昇しました。
 また、サムスン電子などの大企業に採用されるにはTOEIC900点以上、留学経験は必須と言われるほど高い英語力が求められるようになり、ソウル大学など韓国のトップ大学を卒業しても「英語ができなければ就職できない」という事態を引き起こしたのです。


円安で「英語力」の必要性が高まる

 韓国の通貨危機後の状況は現在の日本と酷似しています。急速な円安の進行は「日本買い」を引き起こし、日本のグローバル化を一気に進展させます。同時にあらゆる分野において「英語力」の重要性が高まっていくことが予想されます。
 わかりやすい例が「インバウンド」です。安価で、安全で、清潔な日本に世界中から観光客が押し寄せています。日本中の観光地では外国人観光客の増加に伴い英語ができる人材が求められています。最近の外国人観光客は知識が豊富で、日本の伝統文化、工芸、歴史等にも関心を持っています。しかし、そのような外国人観光客の需要に英語で満足に対応できる日本人が少なく、日本と世界の橋渡しができる人材確保が必要不可欠になってきています。
 英語ニーズの高まりはインバウンド業界だけではありません。円安によって日本企業の海外進出に拍車がかかっています。これまで国内市場に焦点を合わせていた企業が、安価で高品質な日本の商品、技術、サービスを武器に世界市場に進出しています。
 しかしその一方で、ビジネス交渉ができるレベルの英語力を有する日本人が少なく、また、海外出張や駐在にも消極的な若者が多いため、多くの日本企業が韓国や中国などの優秀な外国人を積極的に採用し始めています。
 さらに、安い円は外国人投資家による「日本投資ブーム」を招いています。現在、日本株の3割を外国人投資家が保有し、売買代金の6〜7割は外国人投資家と言われています。つまり、水面下で日本企業の「外資化」が進んでいるのです。当然、日本企業は外国人投資家からグローバル化へのプレッシャーを受けるようになり、人事採用面においても「英語力」が大きな比重を占めるようになることが予測されるのです。


世界の英語力向上スピードに追いつけない日本

 英語で英語の重要性が高まる中で日本人の英語力はどうかというと、最新の国別英語能力指数(EF EPI)では「87位」と、2019年の「53位」から大きく順位を下げてしまいました。マレーシア25位、ネパール57位、ベトナム58位、モンゴル76位など、新興アジア国がランクを上げる中、アジアでは日本と中国のランクが低下し続けています。
 中国は英語塾や学校での英語教育を規制するなど「脱英語化」を進めていますのでランクが下がるのは当然です。しかし、英語教育が盛んなはずの日本人の英語力が下がり続けているのはなぜなのでしょうか?
 この理由として考えられるのは、日本人の英語力が下がっているのではなく、
 「世界の英語力が急上昇している」という事実です。TOEFL iBTのスコア推移を見ると、2006年の世界平均スコアは「79」でしたが、2020年には「87」まで上昇しています。日本の2020年の平均スコアは「73」で、世界の英語レベル上昇スピードに全く追いつけていない状況なのです。
 今、世界で求められている英語力は「日常英会話」ではありません。英語で教科書や専門書が読めるレベル。英語で論文や学術発表ができるレベル。英語でビジネス交渉ができるレベル。英語でプレゼンやセールスができるレベル。英語でディベートや議論ができるレベルです。日本人が「日常英会話」でつまずいている間に、世界の英語力は急速に向上しているのです。
 一例をご紹介しますと、韓国では多くの子どもたちが「英語学院」と呼ばれる英語予備校に通っています。英語学院は、日本の英会話学校のように週1〜2回、1時間程度のレッスンを受けるという生易しいものではありません。学校が終ってから週に3〜6日塾に通い、毎回3時間〜6時間、ネイティブ講師から徹底的に英語レッスンを受けるというスタイルです。
 英語学院の指導レベルは高く、ネイティブ向けに書かれた小説の原書やオンラインニュースを読んでディスカッションやディベートを行ったり、多様なテーマに沿ったエッセイを書いたり、SATテスト(アメリカの大学入試共通テスト)対策をするなど、インターナショナルスクールと同等の英語力を育成しています。


「大学入試英語のレベルアップ」が進んでいる

 グローバル化が進む中、日本人の英語力を向上させることは、日本の国力を維持するためにも待ったなしの状況です。日本政府は2020年の英語教育改革で小学校5年生から英語の教科化を行い、英語力の底上げに取り組んでいますが、そのスピードは世界から見ると遅すぎる感があります。
 それよりも日本の英語力を向上させる近道は大学入試のレベルアップです。これまで日本の受験英語は実用的な英語スキルとは無関係の「文法訳読中心」でした。しかし、今後は英語試験のレベルを世界に合わせていくことが必要です。大学入試の英語難易度が上がれば、それに対応して中高のカリキュラムや予備校の指導レベルも上がっていきますので、結果として、日本人の英語力が上昇することにつながるでしょう。
 実はその兆候はすでに表れています。日本の大学受験内容の傾向として、親世代の常識とは比較にならないほど英語試験の難易度が上がってきているのです。最近の大学入試英語に共通する変化は、処理しなければならない英単語数が飛躍的に増加していることです。
 たとえば、1989年の共通1次試験では、100分の試験で総単語数は2728語でした。1分あたり「27.3語」を読み、理解し、回答すればよかったのです。しかし、2023年の大学入学共通テストでは80分のリーディングで総単語数は6014語。1分あたり「75.2語」の処理能力が求められています。
 これは1分間で「75語」読めれば良い、ということではありません。1分間「75語」のペースで読み、理解し、思考し、回答しなければなりません。つまり回答までの時間を考慮すると、読書を読むスピードとしては1分間に「100語以上」の処理能力が求められているのです。
 実際に試してみればわかりますが、1分間に100語を読みながら理解していくのは簡単な作業ではありません。戻り読み、二度読み、読みミスをしたり、知らない単語や表現に出会う度に読む作業をストップしていては、到底1分間100語ペースで英語を読み進めることはできません。これからの日本の大学入試英語に対応するためには「学習英語力=読解力」の育成へと英語教育の重点をシフトしていくことが必要なのです。


学習英語力を鍛える方法は?

 残念ながら、日本の学校教育では「英語を読む訓練」はほとんど取り入れられていません。それにも関わらず大学入試では長文化した英語を読み解く能力が求められているのです。つまり、家庭や英語塾で「英語を読む訓練」を積み重ねなければ、長文化する大学入試英語に対応できなくなる可能性が高いのです。
 これからの時代に対応するためには、子どもの英語教育は「リーディング力の育成」を軸に進めることが現実的です。簡単に言えば「英語の本が早いスピードで読み解ける」ように段階的なリーディング指導を行うのです。
 具体的には「フォニックス」→「サイトワーズ」→「リーダーズの多読」と科学的に効果が証明されている方法でリーディング力の育成を進めていけば、日本で暮らし、日本の学校に通う子どもであっても、スタートから「5年〜6年で」高度な「学習英語力」に到達することができます。
 子ども時代から適切なリーディング力育成を行えば、「1分間に100語」どころか「1分間に140語前後」の処理スピードで英語が読めるようになります。これは英語ネイティブの小学5年生レベルのスピードです。もちろんただ読めるだけでなく読んだ内容を(なんとなく)理解できるようになります。以下は英語ネイティブの学年別「1分間に音読できる単語数」の平均です。(2017年)

小学1年  60単語
小学2年  100単語
小学3年  112単語
小学4年  133単語
小学5年  146単語
小学6年  146単語

 近年、日本の国語教育でも「音読が読解力を高める」ことが知られてきましたが、英語もまったく同じ理屈です。子どもの学習英語力を伸ばしたければ「英語の本を読む力」を鍛える取り組みを(家庭で)実践することが近道なのです。
 ちなみに「リーダーズ」というのは、本を読み始めの子どもが無理なくリーディング力を身につけていけるように、単語や文法に制限をつけて書かれた「短い本」です。リーダーズは読みやすい英語で書かれている上、各ページにイラストが含まれていますから、語彙力が弱い子どもでも、意味を推察しながら読み進めることができます。
 家庭でリーディング訓練を行い「リーダーズの多読」に導くことができれば、小学生で「CEFR B2/英検準1級以上」に到達することも可能です。英語を読むという単純な学習の中には「英語力全体を伸ばす効果」があることを知ってください。多読以前のフォニックスとサイトワーズ学習を強化したい方は私が開発したTLCフォニックスがお勧めです。


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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2406年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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