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2024年9月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.158 | AI時代の英語学習法

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2409
船津徹「AI時代の英語学習法」(株式会社 児童英語研究所、2024年)


 AI技術の発達により英語との付き合い方が変わってきています。AIは学習者のレベルを分析して個別化されたカリキュラムを提供してくれます。これにより苦手分野の克服や試験対策など、一人ひとりの学習者のニーズに合ったが英語学習可能になります。
 また、これまで日本国内では英会話スクールやオンライン英会話など「リアルタイムの対面環境」でなければ実践できなかった「英会話」も音声認識機能を搭載したAIアプリを使えば、いつでも、どこでも練習できるようになります。AIは学習者の関心がある分野、話してみたいトピックなどに臨機応変に対応してくれるため、より学習者に寄り添った実践的な英会話練習が実現できます。
 さらに、AIによる自動翻訳や同時通訳が高度に発展すると、英語を習得する目的が変わってきます。AIが日常的な翻訳や簡単なコミュニケーションを代替してくれますから、人間が英語を習得する目的が、単なる情報伝達レベルでなく、より高度で専門的なコミュニケーションへとシフトしていくことが考えられます。


人間に求められるのは高度な英語スキル

 近い将来「基本的な英語運用力」はAIが担うようになります。いや、すでに担っていると言っても過言ではありません。スマートフォンの通訳アプリを使えば世界中のどこに行っても困ることはありません。日本にもたくさんの外国人観光客が訪れてきますが、翻訳アプリ一つあれば、移動や食事、簡単な意思疎通などに支障はありません。
 これまで日本の英語教育は「基本的なコミュニケーションの習得」を目的としてきましたが、AI時代に求められる英語力は「高度な知識とコミュニケーションを伴う英語力」です。たとえば、複雑な感情表現や文化的なニュアンスの違いを伝えたり、説得力のある商談・交渉・プレゼンテーションを行ったり、異文化の人と信頼関係を構築したり、多様性の高い集団においてリーダーシップを発揮するなど、これまでよりもはるかに高度な知識とコミュニケーションを「英語で実践する力」が求められるようになるのです。
 もちろん全ての日本人にこれまで以上に高度な英語力が求められるわけではありません。しかし、いかなる分野においてもトップを目指す人たち、より高いレベルで活躍したいと望む人たちには「高度な英語力」が必要になります。AIは基本的なコミュニケーションを助けることができますが、人間同士の深い対話や感情的なつながりを伴うコミュニケーションを代替することはできないのです。
 AIの発達により「英語不要論」が囁かれるようになりましたが、英語が世界共通語としての地位を拡大している今、日本人に英語が不要になるということは決してありません。不要になるどころか、日本国民に求められる英語力の目標がこれまでよりも高くなっていく可能性の方が大きいのです。
 事実、韓国、台湾など東アジアの国々では国家レベルで「英語教育改革」を断行し、学校教育や職場における英語教育のレベルアップを図っています。国家の経済力と国際社会における地位を確保するためには国民の「英語力を上げること」は避けて通れない課題なのです。


AI時代は「CEFR B2」が英語学習のゴール

 AI時代に求められる「高度な知識とコミュニケーションを伴う英語力」とは具体的にどの程度の英語力なのでしょうか?その答えは、ずばり!「CEFR B2/英検準1級以上」です。CEFR B2は以下の諸技能を有する人と定義されています。

【1】リーディング
 具体的および抽象的なトピックについての複雑な文章を理解できる。新聞記事、学術論文、技術レポートなど専門的な議論や技術的な話題を含むテキストも読むことができ、主要なアイデアを把握できる。

【2】 リスニング
 標準的なスピードで話される英語を理解し、幅広いトピックに関する議論を追うことができる。日常生活や仕事でのコミュニケーションが自然に行えるだけでなく、ネイティブスピーカーとのやり取りも問題なく対応できる。

【3】 スピーキング
 日常的な話題からより専門的な話題まで、幅広いトピックについて流ちょうかつ自発的に話すことができる。ディスカッションや会議、プレゼンテーションなどで自信を持って自分の意見を発言することができる。

【4】 ライティング
 明確で詳細な文章を書くことができる。様々なトピックに関して、複雑な情報を整理し、自分の立場を説明することができる。また、エッセイや報告書、意見書などを、論理的な構成で効果的に書く能力を備えている。

 上記のレベルに到達すれば「AIに負けない英語力」と胸を張って言えるのではないでしょうか。バイリンガとは言えませんが、英語で専門的な議論や対話ができ、文化的なニュアンスの違いにも適切に対応することができます。CEFR B2を達成すれば、日本人の中では「英語力トップ1%以上」です。どんなキャリアを目指そうとも「英語の達人」として活躍の機会が大きく広がります。


AIを英語学習に活用する方法

 CEFR B2達成は英語圏に留学しなければ無理!と思っている方が多いですが、上手にAIツールを使うことで、日本国内でCEFR B2を達成することができるようになります。さらに言えば、英会話スクールや英語塾の助けを借りずとも、家庭学習だけでCEFR B2を達成することも不可能ではなくなりました。
 インターネットの世界には様々なAI英語学習ツールが存在します。多くの方は何を、どう活用すれば「CEFR B2」に効果的に到達できるのか?その選び方がわからずに苦労していると思います。というわけで、以下に「CEFR B2」達成をゴールに、AIツールを活用するポイントについてご説明します。


【1】特定のAIツールだけに頼らない  AIツールを活用する上で知っていただきたいのが、特定のツールだけでCEFR B2を達成するのは難しいということです。多くのAIツールは英会話、発音、ライティングなど、主にアウトプット分野の練習に効果を発揮します。たとえば、ELSA Speakは「発音矯正」のためのツールです。AIを利用するのは「アウトプット」練習時であり、英語のインプットについては(これまでと同じように)多読や多聴によってコツコツと積み上げてくことが大切です。子どもにAIツールを導入する場合も同様で、アウトプット練習(読む、話す、書く)に取り入れると大きな学習効果が期待できます。

【2】モチベーションの維持に活用する
 AIツールの多くは「ゲーム性」を有しています。世界的に大人気のDuolingoのように、学習量に応じてポイントが溜まったり、他の学習者と競争したり、ゲーム感覚で英語に触れることができるのが大きなメリットです。特に子どもの英語学習にAIを活用する場合「ゲーム性」が学習意欲を高めてくれますので、ツール選択の一つの基準となります。多くのアプリは無料版がありますので、購入を決める前に親子で試してみると良いでしょう。

【3】英語だけで学習できるツールがベスト
 AI英語学習ツールを選ぶ際は「英語だけ」で学べるものが理想です。日本国内で英語を身につけるためには「英語オンリーの環境」に、1日5分で構いませんので浸ることが重要です。英語オンリーの環境に入ると、言語スイッチが「英語」に切り替わります。英語を聞き取ろう、英語を理解しようという意識が高まることでより効果的に英語知識を積み上げていくことが可能になります。得に子どもに英語を教える場合、日本語を介在するツールは不適切です。全ての子どもは(生まれつき)英語を英語のまま理解できる言語習得能力を備えていますから、わざわざ効率の悪い翻訳を教える必要はありません。AIツールを選ぶ際も英語オンリーで学習できるものを中心に選びましょう。


英語以前に知っておくこと:コミュニケーション力

「AIに負けない英語力」を身につける大前提として、コミュニケーションの質を高める取り組みが大切です。私はアメリカで学習塾を経営していますが、総じて、日本人の子どもはコミュニケーションが苦手です。日本では「以心伝心」や「空気を読む」など、相手に察しを期待したり、言葉を遠回しにして「あいまいにする表現」が通用します。日本人にとっては当たり前ですが、国際社会ではメッセージを明確に伝えないと相手に正しく理解してもらえないのです。
 英語がシンプルで直接的な表現を好むのは、自分の主張を押し通すためではなく「ミスコミュニケーションを減らすため」です。相手に何を伝えたいのか、日頃から(日本語で構いませんので)自分のメッセージを「明確な言葉で伝える」訓練を積んでおかないと世界標準の英語力を習得することが難しくなります。以下にコミュニケーションの質を高めるポイントをご紹介します。

【1】目的を明確にする
 何を伝えたいのか、目的や意図を明確にすることが大切です。雑談する、情報を伝える、質問する、意見を述べるなど、コミュニケーションの目的を意識することで、ことば選びや表現方法がより適切になります。

【2】相手を理解する
 相手のバックグラウンドや知識レベル、関心事に合わせてコミュニケーションすることが大切です。相手が理解しやすいように、言葉を選んだり、必要に応じて簡単な表現を使ったりすることで、コミュニケーションがスムーズになります。

【3】クリアで簡潔な言葉を使う
 英語でのコミュニケーションでは、簡潔で明確な言葉を使うことが重要です。複雑な文や専門用語を避け、短くわかりやすい表現(ストレートな表現)を心がけることで、無用な誤解を防ぎやすくなります。

【4】非言語コミュニケーションを活用する
 英語でのコミュニケーションにおいては、ボディランゲージや表情、声のトーンなどの「非言語的要素」が大きな役割を果たします。これらを意識して使うことで、言葉以上にメッセージを効果的に伝えることができます。

【5】文化的な違いを尊重する
 言語は文化と深く結びついています。英語でコミュニケーションを取る際には、相手の文化的な背景や価値観を尊重し、適切な言葉遣いや礼儀を意識することが大切です。文化的な違いを理解し、尊重することで、相手との信頼関係を構築しやすくなります。

 これらを日常生活で(日本語で構いませんので)意識することでコミュニケーションの質を高めることができます。親が良いコミュニケーションを心がけると、子どもにも良い習慣が身につき、それが英語習得の成功につながります。


本当におうち英語でCEFR B2が達成できるのか?

 中学3年生で「英検1級」に合格したMちゃん。1次(筆記)は85%、2次(面接)は77%で余裕の合格でした。でもMちゃんは帰国子女ではありません。またインターナショナルスクールに通っていたこともありません。家庭学習で、小学6年生で英検準1級、中学3年生で英検1級合格を勝ち取ったのです。英語習得の秘訣をMちゃんの親にインタビューした所、以下の答えが返ってきました。
「英語を英語のまま理解できる力」を身につけることができたのが、最大の理由です。日本の学校に通いながら「英語を英語のまま理解する力」を向上させていく手段は「日々英語を読むこと」に尽きると思います。
 AIがどれだけ発達しても、日本で高度な英語力を達成するための基本は変わりません。それが「英語の読解力」を鍛えることです。日常生活で英語を話す機会が少ない日本において「CEFR B2」レベルを実現するには「英語を読む」練習を積み重ねることが最も効果的です。
 もちろんAIツールを活用して「発音」や「会話力」や「ライティング力」の練習をするのも有効ですが、それらのスキルを支えている土台は「英語の読解力」であることを知ってください。英語をたくさん読み、語彙力を増やし、読解力を育てなければ、専門的な会話をしたり、英語で議論したり、複雑な文章を書いたりすることはできません。
 家庭英語においてAIツールを活用する場面は「アウトプット」と「モチベーション」です。AIツールで楽しみながら英語を読んだり、話したり、書いたりする機会を増やす目的で大いに取り入れてください。まだ年齢が小さくアウトプットが難しいお子さんは、引き続きインプット中心(英語を聞かせたり、英語のアニメや教育番組を見せる)の家庭学習を進めてください。


「強み」を生み出すノウハウを解説する本

拙著【強みを生み出す育て方】は、強みの見つけ方・伸ばし方を、科学的エビデンスをベースに、家庭で簡単に行える35の具体的なメソッドに落とし込んだ1冊です。「この世に強みのない子など、いない。すべての子が“強みの芽”を持って生まれている!だからこそ、1人1人に合った“強み育て”が大切だ」。これが、本書でお伝えしたいことです。
 前半では、わが子が生まれながらに持つ「気質5タイプ」「才能5タイプ」と「ピッタリの習い事」を判定し「強みの芽」を見極めます。さらに、全タイプの強み育てにおいて不可欠な「やる気の引き出し方」「学業と習い事の両立方法」について具体的ノウハウを体系化しています。
 幼児から小学生のお子さんを育てている方、子どもの「強み」がわからない、どんな習い事が向いているのかわからない、何が得意なのかわからないという方におすすめです!ぜひご一読ください。

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2409年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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