ハワイアンジャーナル パルキッズ通信 | サイトワーズ, 読み書き
2011年12月号ハワイアン子育てジャーナル
Vol.6 | ハワイのバイリンガル事情 その6 ~英語が伸びる子、伸びない子~
written by 船津 徹(Toru Funatsu)
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引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1112
パルキッズ通信2011年12月号ハワイアン子育てジャーナル『ハワイのバイリンガル事情 その6 ~英語が伸びる子、伸びない子~』(著)船津徹 ©株式会社 児童英語研究所
バイリンガル育児で見落とされがちなのが、読み書きの力です。会話力は英語の音環境に浸ることで自然と身につけることができますが、読み書きは誰かがしっかりと教えてあげなければ身につけることができません。子どもに英語を教えているのにちっとも上達しないという話をよく聞きますが、大抵の場合は読み書き指導の不足が原因です。
アメリカの子どもたちは小学校に入学する1年前、幼稚園で読み書きを習い始めます。フォニックスでアルファベットの音と代表的な綴りのパターンを学び、サイトワーズで頻出単語の綴りとリーディングフルエンシー(読みの流暢さ)を身につけていきます。小学1年生に上がるまでの約1年間で簡単な絵本が読めて、数行程度のセンテンスを書けることが目標です。
|家庭で読書教育を行うこと
子どもが読みの力をスムーズに身につけるには、家庭で読書教育を行うことが必要です。特に就学前の幼児教育は極めて重要であり、子どもが日常的に本や活字に親しんでいることが大切です。日本語で構いませんので絵本の読み聞かせを毎日実践しましょう。読み聞かせは子どもを本好きに育てるだけでなく、想像力を働かせて文章を理解する力(読解力)を育ててくれます。このイメージ化の訓練が足りないと、文字を読めるようになっても読解力が伴いません。
日本語で育った読書力・読解力は、言葉が英語に置き換わっても応用されます。日本語で本好きに育てば英語でも本好きに育ち、日本語で理解力が高ければ英語でも高い理解力を発揮するようになります。毎日コツコツと読み聞かせを実行し、子どもを本好きに育てましょう。今の小さな努力の積み重ねが将来の大きな力となって子どもの英語力を支えてくれます。
|英語の読み書き指導方法
日本人の親にとって子どもに英語の読み書きを教えるのは簡単ではありません。フォニックスを教えるには英語の正確な発音が要求されます。家庭で教える場合はビデオやDVDなどの音声教材を活用してください。ハワイのTLC教室では歌とフラッシュカードを使って子どもたちに読み書きの指導をしています。どの子も簡単に音と綴りの関係を覚えることができるので、日本の子どもたちにもお勧めです。
フォニックスと同時にリーディング指導で重要なのが「サイトワーズ」と呼ばれる頻出単語です。「I」「the」「you」「my」など、よく見かける単語なのですが、フォニックスのルールに当てはまらない綴りのものが多く、子どもたちは覚えるのに苦労します。アメリカでは幼稚園から小学校低学年にかけて200~300のサイトワーズを覚えます。サイトワーズにはいくつかのリストがありますが、一般的なのが「Dolch Sight Words」と呼ばれる220語のリストです。インターネットで入手できますので、プリントして子どもの目につく場所に貼っておくとよいでしょう。また、サイトワーズのワークブックや絵本もインターネットで入手できますので活用しましょう。パルキッズキンダーには2年分576語の「サイトワーズドリル」が付いていますね。
|音読をさせる
フォニックスとサイトワーズを覚えると簡単な本が読めるようになります。親の仕事は子どものレベルに合った本をどんどん購入して読ませることです。子ども向けの本の多くには読書レベル(RL)や対象年齢が記載されていますから、それらを参考にレベルに合った本を多読させてください。
リーディングで大切なのが「音読」です。黙読では理解しづらい文章も、声に出して読むと頭に入りやすくなります。特に読み始めの子どもは正しく読むことに集中して理解が伴わないことが多いので音読が効果的です。また一人で読ませるのではなく親が聞いてあげることで子どもの学習意欲が高まります。
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