ハワイアンジャーナル パルキッズ通信 | フォニックス, 教育術
2012年02月号ハワイアン子育てジャーナル
Vol.8 | ハワイのバイリンガル事情 その8 ~フォニックスでネイティブ発音!~
written by 船津 徹(Toru Funatsu)
※本記事のテキストは無料で引用・転載可能です。引用・転載をする場合は必ず下記を引用・転載先に明記してください。
引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1202
パルキッズ通信2012年02月号ハワイアン子育てジャーナル『ハワイのバイリンガル事情 その8 ~フォニックスでネイティブ発音!~』(著)船津徹 ©株式会社 児童英語研究所
お子さんに英語教育を実践している方はフォニックスという言葉を聞いたことがあると思います。日本の子どもたちが小学校1年生で「あいうえお」を覚えるように、ネイティブの子どもたちはキンダーガーテンに上がるとフォニックスによって英語の読み方を習います。
アメリカではキンダーガーテンの1年間で基礎的なリーディングを教えますが、英語は綴りと音が一致しない単語が多く、幼い子どもたちは読み方を覚えるのに苦労します。複雑な綴りと音の関係を規則化することで、簡単に読み方を身につけられるように考案された教授法がフォニックスです。
「CAT」を例にとります。アルファベット読みでは「シー・エイ・ティ」となり正しく読むことができません。フォニックスでは「CAT」を「C」と「AT」に分けて「ク」と「アット」と教えます。前後の音をつなげると「クアット」となり正しく発音できるのです。同様に「HAT」「SAT」「MAT」「FAT」などの「AT」群の単語もすぐに読めるようになります。
フォニックスの有効性は幼い子どもだけのものではありません。フォニックスを学ぶことで英語の発音ルールを知ることができ、フルエンシー(読みの流暢さ)が格段に向上しますから「きれいなネイティブ発音を身につけたい」という中高生や大人にも大変有効な学習法です。
|フォニックス指導の問題点
日本でのフォニックス指導の問題は、正しい発音を教えられる先生が少ないことです。アルファベットには日本語に存在しない音が多く、よほど英語に堪能でなければ指導することができません。英語ネイティブでフォニックスの指導経験がある先生から教わるのが理想なのですが、日本では難しいですね。
解決方法は音声教材を使うことです。最近ではインターネットでフォニックスの動画や音声が簡単に入手できますので活用しない手はありません。音声教材で正しい発音をしっかりとインプットしておけば、親が多少間違った読み方で教えても子どもの発音がおかしくなる心配はありません。
フォニックスはアルファベットの正しい「音」を学ぶものであり、英語学習の基本中の基本です。これを知らずに英語のリーディングは身につかないといっても過言ではありません。日本の中学英語ではフォニックス指導なしに単語や英文の読み方を教えますが、それは「あいうえお」の読み方を知らない外国人にいきなり日本語の文章読みを教えるようなものです。
|フォニックスの指導方法
フォニックスはアルファベットの文字と音の関係を教えることから始まります。「A says a, B says b」(エイ セッズ ア、ビー セッズ ブッ)という要領で文字を指差しながら発音を教えていきます。子どもの目に入る場所にアルファベットチャートやフォニックスチャートを貼っておくと、子どもが自主的に学習してくれます。
アルファベットには大文字と小文字がありますが、これは日本語のひらがなとカタカナのようなものと思ってください。アルファベットはたった26文字ですから同時に読み方を教えても子どもは混乱することなく覚えていきます。
文字と音に慣れてきたら大文字と小文字のマッチングゲームやカルタ取りなどをして遊びます。文字カード、文字マグネット、文字ブロックなどを使って楽しみながら文字と音の関係を覚えられるように工夫してください。
文字を読むことと同時に書く練習をすることが学習を定着させる上で重要です。毎日少しで構いませんのでアルファベットの大文字、小文字を書く練習をしましょう。鉛筆に慣れていない子どもには、ホワイトボードに水性マーカーで大きく書かせることから始めてください。(次号に続く)
前の記事「プリスクーラーからキンダーに進む時にやってはいけない3つのこと」 | 次の記事「今月のお知らせ」