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2023年7月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.145 | ネイティブ発音を身につける方法

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2307
船津徹「ネイティブ発音を身につける方法」(株式会社 児童英語研究所、2023年)


 子どもの英語発音が「日本語っぽい」と心配されている方は多いと思います。小学生になり、発声、発音、口や舌の筋肉の使い方が「日本語用」に固定化してくると、どうしても英語の発音も母音が強く残るようになっていきます。
 子どもの発音改善は基本的には「ネイティブ音声のインプット」で行いますが、小学高学年以上の子どもに対しては、少しだけ「発音の方法」を教えてあげることで、「発音を英語っぽく」改善することができます。
 発音矯正は間違いを指摘するのではなく、遊び感覚で行うことが大切です。親から発音ミスをうるさく言われると、子どもは英語を話す意欲を失い、最悪の場合、英語嫌いにさせてしまいます。あくまでも「遊びの延長」として発音矯正に取り組むようにしてください。


英語発音を改善する2倍ルール

 「2倍ルール」とは、発声(お腹から声を出す)と口の開き方を「2倍」大きくするというルールです。これだけで英語発音は劇的に改善します。
 細かい発音の技術を教えるよりも、英語を話す時は「口を大きく開けて、声を大きく発声する」ことを子どもに教えてあげましょう。これだけで英語が外国人に伝わりやすくなります。
 日本語はあまり大きく口を動かさなくても喉から口先だけで発音できる言語です。そのため日本語と同じ感覚で英語を話していると、外国人にはボソボソ、コソコソと不明瞭に聞こえてしまい、理解してもらえないことが多いのです。
 また、口の動きは英語話者のコミュニケーションにおいて重要な役割を持つことがわかっています。イギリスの心理学者、ハリー・マクガークとジョン・マクドナルドは、英語話者の音声認識は聴覚情報だけに頼っているのでなく、相手の口元を中心とする視覚情報によっても影響を受ける(マガーク効果と呼ぶ)ことを発見しました。
 英語話者が口元でコミュニケーションを取る一方で、日本人は「音声」を中心に会話を成立させていることがわかっています。2016年に熊本大学の研究チームは、日本人はコミュニケーションをとる時、最初から相手の声に集中しており、相手の口元を見てから声への聞き取りへと進む英米人とは情報処理のプロセスが異なることを発見しました。
 英語を話す時は、いつもの「2倍」大きな声で話す。そして口をいつもより「2倍」大きく動かす。この二点を意識するだけで英語が相手に伝わりやすくなります。「2倍ルール」は子どもだけでなく大人が取り入れても効果がありますので、英語を話す機会がある方はぜひ実践してみてください。
 顔の表情を作っている「表情筋」は全部で40以上あると言われています。でも日本人が使っている表情筋は全体のわずか「1割程度」だそうです。英語を話す時は顔の筋肉全体を動かすことを意識しましょう。表情を豊かにすることを親が率先して行うと、子どももつられて表情が豊かになっていきます。
 子どもに「2倍ルール」を教える場合、声を大きくすることに加えて、笑顔の作り方からスタートするとスムーズです。日本では「スマイル」の方法を子どもに教えることは少ないですが、欧米では「スマイル」はコミュニケーションの基本であり、子どもが身につけておくべき基本的な対人スキルです。


大きな笑顔を作ってみる

 大きな笑顔を作る。簡単そうで結構難しいですね。欧米の人たちは子どもの頃から「スマイル」のトレーニングを受けていますから、自然な笑顔を作るのが上手です。アメリカでは運転免許証やパスポート写真も(軽く)笑顔を作っていいんですよ。笑顔は相手に与える印象を良くすることはもちろん、自分の気持ちも明るくする効果があります。以下に笑顔を作る表情筋のトレーニング方法をご紹介します。

1)イーダを笑顔でやってみる
 口を「イー」の形にします。子どもが意地悪された相手に「イーダ!」と言いますね。その時の「イー」です。左右に思いっきり口を広げた状態です。普通の「イー」よりもさらに大きく左右に広げましょう。コツは左右の口角を上に引き上げること。ほおの筋肉を上に引き上げながら「イーだっ!」です。目は笑顔のままですよ!練習しましょう

2)割り箸を挟み「ABCDE」と言ってみる
 割り箸を左右の糸切り歯部分でくわえ、左右の口角を割り箸よりも上方向に上げた状態で「ABCDE」とお腹らか発声してみましょう。口を左右に広げて笑顔を作った状態で「ABCDE」です。


大きなあくびをしてみる

 手を上に思い切り伸ばして大きくあくびをしましょう。顎を下げるイメージで大きく縦に口を開きます。口をいつもの「2倍大きく開く」ことがポイントです。リラックスして「アー」と喉の奥から声を長く出しましょう。
 あくびをした時の口の大きさと喉が開く感覚を覚えておきましょう。これが英語を発音する時の喉の使い方です。口を開いた時に指が縦に3本入らなければなりません。どうですか?今までに経験したことがないくらい大きく口を開けなければならないことが実感できたはずです。
 口を縦に大きく広げ、喉を開いて、短く「ア」という音を出すと英語の正しい「O/オ」の発音になります。学校では「O」は「オ」と教わったかもしれません。でも「ox」や「otter」をネイティブが発音すると、「アックス」「アッター」に聞こえます。つまり「オ」よりも「ア」に近い音なのです。あくびの要領で口を大きく広げ喉の奥から(お腹から)「アクス」「アター」と言ってみましょう。すぐにネイティブ発音になりますよ!


うめぼしを飛ばしてみる

 酸っぱい梅干しを食べている自分をイメージをしてください。いつもよりもさらに10倍もすっぱい梅干しです。口をすぼめて顔全体の筋肉を前に出すような表情を作ってみましょう。
 次にうめぼしの種を遠くに飛ばします。(あくまでも想像ですから本当に飛ばさなくていいですよ)舌を上手に動かして種を口先に移動させます。唇を口の内側に巻き込み梅干しの種を配置します。鼻から息をお腹に吸い込み、空気を一気に出しながら「プッ」と唇をはじいてうめぼしを飛ばしてみましょう!
 丸め込んだ唇がはじけるときに「プッ」と音がするまで練習しましょう。お腹にためた空気を一気に前に出すことがポイントです。お腹に手を当ててへこむのを確認しながら「プッ」とはじく音が出るまで練習してください。
 この唇をはじいて出す音が英語の「P」と「B」の正しい発声です。唇を丸め込んで空気を出しながら「プッ」「ブッ」です。喉で音は出しません。唇が破裂する音だけで「プッ」「ブッ」と音を出してみましょう。しこいですが、お腹からしっかり空気を出すことを忘れないでください。
 「POT」「POD」「POP」を唇をはじいて発音してみましょう。お腹から空気を前に出すことがポイントです。
 同様にBで始まる音も練習しましょう。唇を内側に丸めて空気を出して「ブッ」「ブッ」と練習です。「BOX」「BOY」「BIG」「BED」です。
 うまくできない方はティッシュペーパーを口の前(10センチくらい前)に広げた状態で「ブッ」と言ってみましょう。ティッシュペーパーが空気で動かなければなりません。動くようになったら15センチ先に置き、同じように練習してください。目標は30センチ先のティッシュペーパーを動かすことです。がんばりましょう!


たこの口を作ってみる

たこの口を作ってみる 小さな子どもがチューする時の口を作ります。口をすぼめて思いっきり前に突き出してください。2倍ルールですよ。大げさに口を突き出します。タコの口になっていますね。これは日本語ではほとんど使わない口の形です。タコの口の状態で「ウッ」とお腹から声をだしてみましょう。空気を出す時にお腹がへこむのを手で確認しながら強く前に「ウッ」です。何回か練習しましょう。
 実はたこの口は英語の「w」の発音なんです。日本人が最も苦手な発音の一つです。口をタコの形にして「ウー」と言いながら「water/ウオーター」と言ってみましょう。どうですか?ネイティブっぽくなったでしょう。もっと練習しましょう。「win」「wig」「wolf」「well」「wall」「warm」「work」「walk」「wake」「word」「winter」
 「w」を見たら自然と口がタコの形になるように練習すると伝わり易い発音になります。Wの発音は実はとってもよく使われるんです。何かを質問するときは「who, why, what, when, where, which」が必要ですね。質問する時はタコの口にして「ウッ」とお腹から発音すると相手によく伝わります。


Rの発音に挑戦してみる

1)たこの口を作ります(口をすぼめて突き出す)
2)下唇に力を入れて奥(喉方向)に引っ張ります(同時に舌も奥に引く)
3)喉を響かせて「アー」と言います

 これが英語の「R」の発音です。多くの日本人は「R」の発音をする時に舌先を丸めますが、これは間違いです!舌は丸めずに口の奥に引き込むのが正解です。舌先を丸めて音の流れをブロックしてはいけません。それよりも舌の上を「アー」という音が滑っていくようなイメージが正しい「R」の発音です。

 何だかよくわかりませんか?

 顔を洗う時、両手に水をためますね。両手に水をためる仕草をしてください。その形と同じように、舌を器の形にしてみましょう。舌の中心に力を入れて奥に引っ張る感じです。器の形になりましたか?日本人が使ったことのない筋肉ですからちょっと難しいですね。でもがんばりましょう。口はたこの形で舌を器の形にした状態で「アー」と喉から発声します。少しこもったような音になりますね。手を胸にあてて振動していることを確認してください。これが正しい「R」の発音です。


RとLの発音を1分で身につける

 日本人が苦労する発音にRとLの使い分けがあります。Rice(お米)もLice(しらみ)も日本語では同じ「ライス」です。これを上手く使い分ける簡単な方法をご紹介しましょう。
 たばこを吸う仕草をしてみましょう。手に想像のタバコを持ちそれを口に加えてフーです。うまくできない人は鉛筆やお箸を口に加えてみるといいでしょう。タバコを口にくわえて煙を吸い込み、タバコを口から離して煙を「フー」と出します。この時の口の形が「R」です。口が丸くなっているはずです。さらに舌を器の形にして「アー」と胸で振動させます。(舌先を上に丸めるのはダメです。舌の左右を上に引き上げて丸くします)これが正しい「R」の音です。口と舌が丸くなっている状態です。
 口と舌の形を維持しながら「ウ」と言いながら「ゥラゥラゥラ」と発音してください。口をすぼめて軽く突き出しているイメージです。舌は空中に浮いたままでどこにも触れてはいけません。舌も「U」の字になっています。これで正しい「R」の発音になります。「R」を見たら自然とたこの口になるように練習しましょう。
 次に笑顔を作ってみましょう。「イーだッ」でしたね。口を左右に広げて軽く歯を見せます。その形で舌先を上歯ぐきの裏に当てて「ララララ」と発音します。上歯と下歯の間に少し隙間を開けて、舌の裏側を相手に見せながら「ラララ」です。どうですか?同じ「ラ」でも発音が「R」とは全く違うのが分かりますか?
 「R」はたこの口で「ウ」と(心で)言いながら「ゥライス」。「L」は口を左右に広げて歯を見せながら「ライス」です。
 同じように口の形と舌の位置に注意しながら以下の単語を発音してみましょう。たこが「R」で笑顔が「L」ですよ!たったこれだけでRとLの使い分けが完璧にできるようになります。くれぐれも「2倍ルール」を忘れずに、普段よりも大きく発声することを意識してください。

RICE→LICE, RIGHT→LIGHT、RINK→LINK、RACE→LACE
ROAD→LOAD、RAIN→LANE、GRASS→GLASS、FRY→FLY
FRAME→FLAME、CRIME→CLIMB

 以上、日本人が苦手な英語発音について楽しく練習する方法をご紹介しました。これらは小学高学年以上のお子さん(あるいは大人)の発音矯正に活用してください。年齢が小さいお子さんには「理屈」で教えるのでなく、「目」と「耳」からインプットしてあげることが効果的です。
 まだ発音訓練をスタートしていないという方は「TLCフォニックス」がお勧めです。日替わりの動画レッスンで英語の正しい発音を身につけることができます。子ども時代に身につけたネイティブ発音は一生失われることはありません。正しい発音は「子ども時代に身につけておくこと」を強くおすすめします!
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ハワイイメージ1【編集部より】
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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2307年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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