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2024年10月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.159 | 6歳までの英語学習

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
https://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-2410
船津徹「6歳までの英語学習」(株式会社 児童英語研究所、2024年)


 子どもの英語教育で必ず話題になるのが「早期英語教育の是非」です。「言葉が発達途上の子どもに英語教育をすると母国語(日本語)がおかしくなる」という反対派に対し、「言語吸収力が高い乳幼児期に英語教育を始めた方が、効果的にネイティブ発音を伴う英語力を身につけられる」という賛成派。
 パートナーとの間で意見が分かれることも多く、この問題に決着をつけないと家庭の教育方針が一致せず、「ブレない子育て」が実現できません。英語の必要性は実感していても、具体的に「いつ、どのように英語教育に取り組むべきなのか?」については、コンセンサスがとれていない家庭が多いようです。


早期英語教育をすると日本語がおかしくなる?

 結論から申し上げますと「日本国内で」早期英語教育を行っても日本語の発達が悪くなる可能性は「ほぼゼロ」です。ただ親が英語教育を焦るあまり、言葉がおぼつかない乳幼児に「不自然な言語環境」を与えると、言語発達が「おかしくなりかけること」はあります。不自然な言語環境とは以下のようなものです。

・日本人の親が赤ちゃんに「英語だけ」で話しかける
・英語のテレビやDVDを一日中視聴させて「デジタル英語漬け」にする
・インターナショナルプリスクールに通わせて「完全英語漬け」にする

 親との間に「日本語のコミュニケーション」が確立していない乳幼児を上記のような「強い英語環境」に長時間浸すと、日本語の発語が遅れたり、日本語の発音やイントネーションがおかしくなることがあります。
 これは日本よりも海外で育つ子どもにとって深刻な問題です。「完全英語環境」であるアメリカで育つ日本人の子どもは、日本で育つ同年代の子どもに比べて、日本語の発達が遅れることが珍しくありません。
 家庭では日本語で話していても、一歩外に出れば「完全英語環境」です。プリスクールでは先生や友だちとの会話はすべて英語です。日本語よりも英語に浸る時間が長くなれば、英語が優位なり、日本語は弱くなります。
 しかし日本で暮らし、家族が日本語でコミュニケーションをとり、日本語でお友だちと遊び、日本語のテレビやメディアに囲まれて育てば、日本語が優位になりますから、毎日数時間の英語教育を行っても、日本語がおかしくなる心配はありません。


英語プリスクールに通わせても大丈夫?

 都市部を中心に、英語で子どもを保育する英語プリスクールや英語キンダーガーテンが増えています。乳幼児期に「生きた英語」に触れることで、日本語アクセントの少ない英語発音が身につくことから、人気が高まっています。
 確かに流ちょうな英語発音が身につくのは魅力ですが、本当に子どもを英語プリスクールに通わせても、日本語の発達に問題はないのでしょうか?
 これについては前述の通りです。家族が日本語でコミュニケーションをとり、日本語で友だちと遊び、日本語のメディアに囲まれて生活していれば、子どもはごく自然に日本語を母国語として身につけます。
 子どもの言語発達は「インプットされる言語量」によって決まります。子どもの日本語を心配するのであれば、家庭において、日本語の大量インプットを行えば良いのです。ちなみにインプットというのは「聞く」「読む」です。幼児の場合は「読む」はまだできませんから日本語を「聞く量」を増やせば良いのです。
 子どもと日本語で豊かに会話を楽しみ、日本語の絵本の読み聞かせを行い、日本語でお友だちと遊ぶ機会を増やせば、英語プリスクールに通わせていても英語が優位になることはありません。
 言葉のインプットで注意すべきポイントが、使用言語を明確に分けることです。「英語プリスクールでは英語のインプット」「家庭では日本語のインプット」と、場所によって使う言語をはっきりと分けておけば、子どもは混乱することなく、二つの言語を効率的に身につけることができます。
同じように、母親が日本人、父親がアメリカ人という国際結婚家庭でしたら、「母親は日本語」「父親は英語」というように、話す相手によって使用言語を分ければ良いのです。父母がそれぞれの言葉で大量インプットを実践すれば、子どもは相手に応じて自在に言葉を切り替える「バイリンガル」に育ちます。


英語プリスクールで英語は身につく?

 英語プリスクール選びのポイントは「英語ネイティブの教師が英語オンリー」で教えていることです。プリスクールによっては英語ネイティブ教師と日本人教師が共同で教えたり、バイリンガル教師が日本語と英語のミックスで教えているケースがあるようです。
 教師がミックス言語を使っていると、子どもに「ミックス言語」がインプットされてしまい、日本語と英語が混ざった表現を使ったり、日本語の発音が英語っぽくなったり、英語の発音が日本語っぽくなったりすることがあります。
 理想は指導経験が豊かな英語ネイティブ講師から「生きた英語」の大量インプットを受けられる環境です。そのような環境に数年間も浸れば、子どもは綺麗なネイティブ発音で「簡単な英会話」が楽しめるようになります。
 では「プリスクールに通わせるだけで英語が身につくのか?」と言えば、残念ながら答えは「ノー」です。
 英語プリスクールの多くは「生徒が日本人」であり、子ども同士のコミュニケーションは「日本語」になりがちです。中には「日本語禁止」というスクールもあるようですが、日本語と英語の区別がつかない幼い子どもの使用言語を制限することは困難です。
 さらにやっかいなのが、英語プリスクールで初歩の「英会話力」を身につけても、プリスクールを卒業して「日本の小学校」に通い始めると、身につけた「英会話力」は急速に失われてしまう、という事実です。
 アメリカで乳幼児期を過ごし、英語ペラペラだった子どもが、帰国して日本の小学校に通い始めた途端、あれだけ得意だった英語をすっかり忘れてしまった!という話を聞くことがありますが、これも同じ現象です。
 日本の小学校に通えば、毎日5〜6時間日本語で教科学習を受けます。日本語を大量に読み、日本語で思考し、日本語でコミュニケーションをとる時間が増えると「英会話力」は目に見えて衰えていきます。繰り返しますが、言葉の発達は「インプットされる言語量」によって決まるのです。
 バイリンガルレベルの英語力を習得するには「5年〜7年間、英語環境に浸ることが必要」と言われています。つまり日本でバイリンガルに育てるには、小学校時代を通してインターナショナルスクールやイマージョンスクール(日本語と英語で教科学習を行う学校)に通わせ、英語のインプット(大量の英語を読み、大量の英語を聞く)を継続しなければならないのです。


6歳までに「読書教育」へシフトすることが大切

 しかし、インターナショナルスクールやイマージョンスクールに通わるのは、一般的な日本人の親にとってハードルが高いですね。日本の小学校に通わせながら、子どもの英語力を伸ばしていく方法はないのでしょうか?
 東京都に住むT君は、小学6年生で「英検1級」に合格しました。でもT君は帰国生でもインター生でもありません。日本の小学校に通いながら「英語の読書」で高度な英語力を身につけた「国産バイリンガル」です。
 読書ほどパワフルな「インプット」はありません。「読むこと」によって「聞く」ことはもちろん「話す」「書く」のアウトプット訓練も同時に実現できるのです。理屈では、わずか「1日5分の読書」で大量のインプットが可能なのです。
 6歳までの英語教育で重要なのが、プリスクールや英語教室で培った「英会話力」を「英語の読書力」につなげることです。多くの親がこのことを知らず、子どもが小学生になっても「英会話中心」の英語教育に終始しています。
 小学校に通い始めた時に起こる「英語力低下」を食い止め、さらに小学校時代を通して英語力を伸ばしていくには、小学低学年までに、英語教育の重点を「英会話」から「読書教育」にシフトすることが大切です。
 私は20年以上英語教育に関わってきましたが、日本国内でバイリンガルレベルの英語力を身につけた子どもは、例外なく「英語の読書力」を身につけています。読書力が身につけば、インターに通わなくても、「自学自習で」英語力を向上させていくことが可能なのです。


読書教育は超簡単な短い本からスタートする

 「英語の読書」と聞くと、分厚いペーパーバックを読む「修行」を連想するかもしれませんが、子どもの読書教育は「超簡単で短い本」からスタートします。1ページに英文が1〜2行、全体で8〜16ページ程度の薄い本で、各ページにイラストが含まれていることがポイントです。このような本でしたら1冊を1〜2分で読み終えることができます。
 英語圏にはアルファベットを読み始めた子どもが、無理なくリーディング力を身につけられるように、単語数、単語の難易度、文法の難易度などの読書レベルが分類された超簡単な短い本(Guided ReadersやLeveled Booksと呼ぶ)がたくさん販売されています。
 これら「超簡単で短い本」を活用することで、子どもは自分の力でリーディング力を伸ばしていくことができるのです。習熟度に合わせて少しずつ本の難易度を上げていけば、やがてネイティブレベルの本が読めるようになります。
 Amazon.com(アメリカのサイト)で「Early Readers」「Beginning Readers」というキーワードで検索すると「超簡単で短い本」を見つけることができます。以下アメリカの子どもたちに人気のシリーズを列挙しておきますので参考にしてください。

・First Little Readers Parent Pack (Scholastic)
・Sight Words Readers Parent Pack(Scholastic)
・Bob Books Series (Bobby Lynn Maslen)
・My First I Can Read (Harper Collins)
・Step into Reading Level 1〜2 (Penguin Random House)
・Ready to Read Pre Level 1〜Level 1 (Simon Spotlight)


英語の正しい発音を身につける方法は?

 子どもの「読書教育」のスタートが「フォニックス」です。「フォニックス」は英語の「ひらがな」であり、「A=ア」「B=ブ」「C=ク」という要領で、アルファベット26文字と「音」の関係を教える指導です。
 日本では「A=エイ」「B=ビー」「C=シー」とアルファベットの「名前」を教えますが、これを覚えても簡単な三文字単語の「BED」すら読むことができません。「BED=ビー エイー ディー」になってしまいますね。でもフォニックスを学ぶと「BED=ブ ェ ド」と正しい発音で読めるようになります。
 子どもにフォニックスを系統的・段階的に指導することで「ネイティブ発音で英語を読む力」を育てることができます。日本でもフォニックスを学べるプリスクールや英語教室が増えていますので、学校選びの基準に加えておくと良いでしょう。
 私が20年かけて開発し、全米第2位を獲得した「オンラインフォニックス」も、お子さんの読書教育に活用していただければ幸いです。


「強み」を生み出すノウハウを解説する本

拙著【強みを生み出す育て方】は、強みの見つけ方・伸ばし方を、科学的エビデンスをベースに、家庭で簡単に行える35の具体的なメソッドに落とし込んだ1冊です。「この世に強みのない子など、いない。すべての子が“強みの芽”を持って生まれている!だからこそ、1人1人に合った“強み育て”が大切だ」。これが、本書でお伝えしたいことです。
 前半では、わが子が生まれながらに持つ「気質5タイプ」「才能5タイプ」と「ピッタリの習い事」を判定し「強みの芽」を見極めます。さらに、全タイプの強み育てにおいて不可欠な「やる気の引き出し方」「学業と習い事の両立方法」について具体的ノウハウを体系化しています。
 幼児から小学生のお子さんを育てている方、子どもの「強み」がわからない、どんな習い事が向いているのかわからない、何が得意なのかわからないという方におすすめです!ぜひご一読ください。

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プロフィール

船津 徹(Funatsu Toru)

1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2410年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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