2017年8月号パルキッズ塾
Vol.52 | 後悔しない夏休みの過ごし方
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1708/
小豆澤宏次『後悔しない夏休みの過ごし方』(株式会社 児童英語研究所、2017年)
今年も夏休みが始まりました。ママにとってはお子さまのケアをする時間が増えるわけなので、「いつもよりも大変!」と思っている方も少なくないでしょう。
とは言え、40日もある夏休み、お子さまにとってこの40日をどう過ごすかで、同学年の子どもたちに大きな差をつけることもできますし、つけられてしまうこともあります。
さて、今回は「後悔しない夏休みの過ごし方」とあるように、ママにとって、そしてお子さまにとって、夏休みが簡単に有意義になる方法をお伝えいたします。
ポイントは「夏休み」に対して特別な意識を持たないということです。ちょっと「夏休み」に対する見方を変えるだけで、「やるぞ!」と力んでいた肩の力が抜け、リラックスしていただけるかもしれません。
ぜひ、ご参考にしてください。
| 夏休みは普段と一緒
夏休みが始まる頃といえば、私にも覚えがあるのですが、「よしやるぞ!」と気合いが入っています。時間が増えた気がするので、「あれもできるし、これもできる!」と、まだ始めてもないのにやった気で気分が高揚しています。
ここでちょっと落ち着いてみましょう。実は夏休みは特別ではありません。あくまでも「普段」の延長線上にあると考えましょう。
いつものお子さまのスケジュールはどういったものでしょう?朝同じ時間に起きて、朝食、支度を済ませ、学校または園に行きます。曜日によって下校時間は異なりますが、夕方までには帰宅をします。帰宅後は宿題や課題を済ませ、夕食を摂ります。お風呂に入ってリラックスをして9時頃就寝。ご家庭によって、ご年齢によって違いはあれど、普段の生活はこのようなものではないでしょうか?
夏休みだからといってこのすべてを変える必要はありません。むしろ変えないでよいところは変えない方が良いでしょう。このスケジュールの中で変わるところは学校の部分です。
朝は学校があるときと同じ時間に起きる。朝食も同じ時間に摂る。学校がないからといっていつまでもパジャマでいるのではなく、きちんと着替える。夜も同じです。いつもと同じ時間には家に居るようにし、夕食前に夏休みの宿題、課題、取り組みをこなし、夕食を摂ります。そして就寝時間も夏休みだからといっていつもよりも遅くしないようにしましょう。
| 夏休みは「休み」ではなく「自習」
つまり、夏休みだからといって、朝晩のルーティンを変えないようにすることがポイントなわけです。
ではこれまで学校に行っていた時間はどうすればよいのでしょう?
この時間を「休み」と捉えす、「自習」と捉えてみてはいかがでしょう?
例えば8:30から15:00までが学校の時間だとします。通常はこの時間に何をするのかは時間割で決まっています。しかし、夏休みの場合は時間割がないわけですから、「自習」と考えて、ざっくりとした時間割を作ってみましょう。
小学生のお子さまであれば、ママと一緒に1週間分の時間割を作ってみましょう。入学前のお子さまであれば、ママが決めてあげてください。重要なのは学校に行っている時間だけ決めるということです。それ以外の時間はこれまでと変わりませんからね。
時間割を決めるとなると、お勉強のイメージが強く、知育的な内容ばかりになってしまいそうですが、せっかくの夏休みです、お勉強以外のことも入れてあげると楽しくなります。
この自習の時間に入れるとよいものは大きくわけて5つあります。
【1】プラスαの英語学習
【2】学校の宿題・習い事の課題
【3】外遊び
【4】お手伝い
【5】夏休みで達成できる何か
| 夏休みだけで完結することを1つやろう!
【1】から順に解説していきます。【1】プラスαの英語学習は、普段は時間がなくてなかなか取り組めなかった「英検対策オンラインレッスン」や「プリント学習」をしてみましょう。特別なことをする必要はありません。取り組みたかったけど後回しにしていたものを取り組むぐらいのつもりで結構です。
【2】は夏休みの宿題はもちろん、習い事の課題、例えばピアノの練習、サッカーやバレエの練習に当ててもよいでしょう。
【3】は遊びです。夏休みですから友だちと遊ぶこともあるでしょう。これも体育という自習の一環と考えると楽しく時間割が組めるでしょう。
【4】はママが助かりますね。掃除洗濯など家事のお手伝いを積極的に授業の一環として義務づけましょう。
そして、特に重要なのが【5】夏休みで達成できる何かです。これは何でも構いません。ただルールとして夏休みで完結するものにしてください。もちろんお勉強ではなくても結構です。むしろそうでない方がよいかもしれませんね。例えば「逆上がり」「縄跳びの二重跳び」「自転車」といった運動系でも結構ですし、「プラモデル」などの工作系でも構いません。
子どもたちは「何かを達成する」ことで充実した気持ちになり、自信を深めます。難しいから良いということでなく、何でも「できた」ということを感じられることであればよいのです。先ほどの「逆上がり」を小学1年生の夏休みにできるようになったら、お子さまはその夏休みを一生忘れないでしょう。
まだ夏休みは始まったばかりです。今回お伝えしたことを参考にして、充実した夏休みをお過ごしください。
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小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。