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2018年5月号パルキッズ塾

Vol.61 | ライフハック英語教育は時間を無駄にする?!

written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)


※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1805
小豆澤宏次『ライフハック英語教育は時間を無駄にする?!』(株式会社 児童英語研究所、2018年)


イメージ1 みなさんは LifeHack(ライフハック)という言葉をご存じですか?生まれてから15年ほど経つので耳にしたことのある方も多いかもしれません。この言葉はもともとコンピュータオタクの間で生まれたもので、「とにかく効率良く作業するための気の利いたテクニック」のことを言います。それが現在では、日常生活においても使われるようになりました。
 例えば家事において、簡単に洗濯物をたためる方法とか、簡単にお風呂の掃除をする方法とか、旅行においてはスーツケースの詰め方とか、格安チケットを簡単にとる方法とか、様々なことにおいて「効率」に重きをおいた方法が紹介されています。
 現在子育てをしていらっしゃる世代は、共働きのご家庭が非常に多いことは言うまでもありません。子育て世代が生まれたころ、または小さかった1980年頃は共働き世代は約600万世帯でした。それが2014年頃には1,114万世帯と約2倍になっています。
 仕事と家事を両立する親にとって、いかに効率良く家事をこなすかということはとても重要なことです。そのため、こういったインターネット上で紹介されている LifeHack(ライフハック)に答えを求めるというのはとても自然なことと言えるでしょう。
 かくいう私も共働きなので、炊事・洗濯などを行うときは LifeHack(ライフハック)を積極的に参考にしています。もしご存じない方はぜひ、LifeHack(ライフハック)でインターネット検索をしてみてください。とても便利な方法が見つかるかもしれません。
 ただ、一方で「効率重視」に毒されすぎている傾向も見逃すことができません。何でもかんでも効率重視で、さらにお金をかけないこの方法は、ひとたび手にするととても気分良く作業できるため、ここから抜け出せなくなり、すべてのことにおいて「効率重視」になってしまう場合もあります。
 例えば教育。目的は「子どもによりよい将来を与える」ことです。しかし目的が「効率良い」になってしまうと本末転倒です。無駄な教育をしない、それによって時間を有益に使うということは大切ですが、しなければいけないことはしっかりとお金と時間をかけなければいけない場合もあります。
 特に教育は時には「待つ」こともしなくてはいけません。ただ「効率重視」になってしまうと「待つ」ことをせずに何かテクニックはないかと、答えのない迷路に迷い込んでしまうこともあるのです。


| YouTube英語教育は時間の無駄かも

イメージ2 効率良くお金をかけずに英語教育をしようと思うと、おそらく多くの方が YouTube を利用するのではないでしょうか。事実私も日々多くの親御さんと話しをするのですが、YouTube で英語教育をしているご家庭が多いことに驚きます。
 ご存じの通り、YouTube では世界中の様々な動画コンテンツを見ることができます。YouTube が生まれる前は、わざわざ海外から取り寄せたり、それすらもできない英語圏のコンテンツがたくさんありました。その中には良質なものも多くあるのも事実です。私も様々な英語教育コンテンツを見るのですが、感心したり参考にしたいと思うものもあります。親御さんがそういったコンテンツを我が子に見せたいと思うのも当然です。
 しかし、忘れてはいけないことがあります。それは YouTube というのは単なる「コンテンツの集合体」だということです。パルキッズで言うなら、フラッシュカード、歌、日常会話ストーリーといったコンテンツが、ただごちゃっと並んでいるだけです。
 本当に大事なのは「それらのコンテンツをどのように与えるか」です。YouTube にはどのコンテンツをどのように与えるのが効果的なのかは書かれていません。親御さんの独自の理論なのか恣意的なのかはわかりませんが、すべては親御さんの判断で与えることになります。
 中には YouTube 英語教育法なるものがインターネット上で紹介されていることもあるでしょう。しかし、それを書いている人が英語教育の専門家なのかどうかはわかりませんし、それでどのような成果が出ているかというのも疑問です。
 英語教育にとってコンテンツはとても重要です。しかし、もっと大切なのは「コンテンツの与え方」です。せっかく良いコンテンツがあっても与え方を間違えばお子さまの貴重な時間を浪費するだけです。『パルキッズ』はもちろん有料です。その料金にはコンテンツ代金はもちろん、長い年月の成果に裏打ちされたコンテンツの与え方という「メソド」も含まれていることも忘れないでください。


| メルカリ英語教育は時間の無駄かも

イメージ3 いま非常に人気の高いオークションサービスと言えば「メルカリ」でしょう。ひと昔前であれば「ヤフオク」でしたが、出品の簡単さがうけて「メルカリ」を利用する人口は右肩上がりです。
 「ヤフオク」が人気だったころもそうだったのですが、こういったオークションサイトに安価で英語教材が出品されるケースがあります。もちろんメルカリにも『パルキッズ』が出品されています。金額だけを見ると、こういったオークションサイトで教材を購入するのはとてもメリットがあるように思えます。多少使用感はあっても、中身のコンテンツのクオリティは変わらないままですから。
 しかし、『パルキッズ』の場合は注意が必要です。なぜなら教材を正規購入した方とオークションサイトや友人から譲り受けたような非正規購入をした方とでは、大きな差があるからです。
 ひとつは「オンラインレッスンができない」という点があります。メルカリに出品されている『パルキッズ』にも「オンラインレッスンはついておりません」という文言が書かれています。「オンラインレッスンがついていなくても大丈夫かな?」と安易な判断で教材を購入してしまうと、ただお金の無駄遣いをしてしまうことになりかねません。
 『パルキッズ』は長年英語教育に携わっている英語教育のプロが制作しています。パルキッズの英語教育においてオンラインレッスンは必要不可欠なものとしてご提供しています。それにもかかわらず、オンラインレッスンが使えない『パルキッズ』を購入するということは、本来見込めるはずの成果が見込めなくなるのです。言うなれば、画面のないテレビを買うようなもので、音はするけど映像を見ることができない、つまりテレビのようでテレビではないまったく別物を購入しているのです。
 2つ目の差は、サポートです。最初に申し上げたように、英語教育で重要なのは「コンテンツの与え方」です。これは一朝一夕でわかることではありませんし、間違った与え方をして悩む時もあるでしょう。そんなときに、英語教育のプロである教務指導員からサポートを受けられる体制であるかどうかは非常に重要です。もしそのサポートがなければすべて自分で英語教育理論を勉強して我が子にコンテンツを与えなければいけません。かえってそちらの方がお金と時間がかかってしまうかもしれません。


| 正しく時間とお金をかけるべし

イメージ4 このように、金銭的・時間的効率を重視することで、本来向かうべきはずのゴールにたどり着けなくなってしまう場合があるのです。忙しい親御さんにとって必要な LifeHack(ライフハック)術は積極的に採用すべきでしょう。ただ、何でもかんでも自分でできるわけではないことも同時に知っておいてください。
 教育はプロの指導が必要です。もしプロの指導なしでやろうと思うのであれば、ご自身がプロになるしかありません。プロの指導を買うためにお金を費やすのか、自分がプロになるためにお金と時間を費やすのか、こうして比べてみると、どちらが良いかは一目瞭然です。
 お子さまの教育は日用品ではありません。安いから、楽だから、という表面的なことで判断すると、結果、お子さまの貴重な時間を無駄にしてしまうどころか、将来もっと多くの出費を生んでしまうことになりかねないことを知っておくことはとても大切です。


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プロフィール

小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)

1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。

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