2022年7月号パルキッズ塾
Vol.111 | 続けるから意味がある!子ども英語教育
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
https://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-2207/
小豆澤宏次『続けるから意味がある!子ども英語教育』(株式会社 児童英語研究所、2022年)
今年も早いもので下半期になりました。今年の皆さんの取り組みは順調に進んでいますか?うまくいっている方はそのまま淡々と取り組みを続けてください。取り組みがビハインドしている方は、まずは焦らないことです。一足飛びに立て直しを図ってもうまくいきません。まずはメインとなる幹の取り組みを毎日やる、ここをやっていきましょう。幹が育てば枝葉を育てる余裕が出てきます。少しずつでも続けること、これが環境からのインプットを必要とする幼児英語教育にとって何よりも必要な所です。
長年幼児英語教育に携わっていると色々と見えてくるところがあります。バイリンガル教育に成功する方法はいくつもあります。パルキッズをご提供しているので、パルキッズしかありません、と本来であれば言いたいところですが、もちろんそんなことはありません。英語圏で生活すれば身に付きますし、インターや他社教材、またはオンライン教育で身に付けた場合もあるでしょう。方法は各ご家庭の状況によって合う合わないがあります。パルキッズの場合は比較的、親御さんが忙しく、さらに将来を見据えて英語教育だけでなく、幼児教育なども積極的なご家庭が多いようです。金銭的というよりも時間的コストパフォーマンスを考えパルキッズをお選びになるのも特徴です。
さて、成功する方法はいくつかあるわけですが、一方で失敗する方法は一つだけです。これをやると100%失敗することがあります。それは中断することです。当たり前だと感じられるでしょう。しかしその選択をした親御さんを私は過去、多く見てきました。とにかく中断しない。これが幼児英語教育の必要不可欠な条件です。
今回は中断しない、つまり「続ける」には何が必要なのか。私が過去見てきた「続ける親御さん」はどういうことを念頭に置いて取り組んでいらっしゃったのか、それをシェアしたいと思います。
先を見ずに今を見る
将来を見て、そこから逆算して今すべきことを行う。よく言う話ですが、こと、幼児英語教育の場合は、あまり先を見過ぎても良いことはありません。
先を見るとはどういうことでしょう。お子様が流暢に英語で話をしている様子、というのがどの親御さんも一度は想像したことがある未来ではないでしょうか。しかし、そうなるまでに何年もかかるのが英語教育、いや、言語獲得の難しさです。先を見過ぎることで、将来、つまり親御さんが想像する理想の我が子と現実の我が子とのギャップに苦しみ、このやり方であっているのだろうか?間違っているのではないだろうか?なぜうちの子はできないのだろうか?そういう思いでいっぱいになってしまいます。
日々の取り組みを淡々とこなしているご家庭は、今のお子様をしっかり見てください。すると見逃していた「できるようになったこと」がたくさん見えてくるはずです。自然とお子様の成長に気づくことで、驚き褒めるようになります。それがお子様のモチベーションにつながり、正の連鎖を生みます。
将来を見るのは最初だけで結構です。小学生のうちに英検準2級以上に合格しよう。中学で英検準1級に合格しよう。我が子が望めば好きな大学に進学できるような学力を身につけさせてあげよう。そう決めたのであれば、あとは今のお子様をしっかりと見てください。
比較しない
好事魔が多し。取り組みがうまくいっているときほど、落とし穴が潜んでいます。その落とし穴の代表が「比べる」ことです。
我が子と何かを比べてしまうことで、誰も幸せにならない悩みの連鎖に陥ってしまいます。「比較しない」といっても比較対象がわからなければ備えようがないので、よくある比較対象を3つ挙げてお話しします。
まず一つ目が「周囲の子」です。隣の芝は青く見えるではありませんが、隣の子が英検に受かった、英語を話したと聞けばついつい我が子を比べてしまいます。どうしても良いところばかり目がつきますが、その子がそうなるまでに、その子の親御さんは、皆さんと同じように上手くいかず悩むこともあったはずです。私が知るかぎり、どれだけ優秀だった子も、親御さんは色々と悩んでご相談をされていました。みんな同じです。その子だけが良いということはありません。
二つ目は「親」です。ご自身が英語が得意だった場合、「自分は英語が好きだったのに、どうしてこの子はそうじゃないのか」そう悩む親御さんも少なからずいらっしゃいます。ご自身が英語が得意だったのは結構です。しかし、親御さんとお子様は別の人間です。親御さんと全く同じ道を辿って英語ができるようになるわけではありません。お子様を自分とは違う一人格として認め、ご自身を比べることに意味はないと考えましょう。
三つ目は「兄弟」です。
お兄ちゃんはよくできたのにこの子は、、、。というご相談は皆さんが想像する以上によくあります。いくら兄弟と言えども同じ人間ではありません。二番目の「親と比べない」と同じで、上の子は上の子、下の子は下の子、と別の人間であると認め、それぞれを見てケアしていきましょう。
方法はひとつじゃない!迷わない
最後にお伝えするのは「迷わない」です。
最初にお伝えしたように、バイリンガルに育てるための方法は一つではありません。一つしかないと思ってその方法を探すという答えのない迷路に入ってしまわないようにしましょう。今、パルキッズにお取り組み中の方はパルキッズでお子様はバイリンガルになります。それは間違いありません。もちろん他にも方法はありますが、一度パルキッズでスタートして取り組みができているのであれば、他のやり方を一から始める必要はありませんし、時間がもったいないです。
こういうことを言うと、「方法はいくつかあっても、これが我が子にあったやり方なのか心配です」とおっしゃる方がいます。幼児英語教育の方法は、お子様に合う、合わないはありません。なぜなら子どもたちは、環境から自然に英語を獲得していくからです。合う、合わないを言うのであれば、それは親御さんと合うかどうかです。例えば、金銭的なコスト、英語教育にかけられる時間、親御さんがどれだけ関わるか、それはやり方によって様々です。どのやり方だったら「親御さんが」継続できるのか、そういった意味での合う合わないはあります。親御さんさえ迷わず続けられればお子様は継続できます。迷って何度も振り出しに戻ることほど無駄なことはありません。一度決めたら続ける、これがバイリンガル教育を成功させるための必須条件です。
小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。