パルキッズ塾 パルキッズ通信 | パルキッズジュニア, 小学生英語
2019年09月号パルキッズ塾
Vol.77 | 小学生からの英語教育スタートは遅い?
written by 小豆澤 宏次(Hirotsugu Azukizawa)
※本記事のテキストは引用・転載可能です。引用・転載する場合は出典として下記の情報を併記してください。
引用・転載元:
http://palkids.co.jp/palkids-webmagazine/palkids-juku-1909/
小豆澤宏次『小学生からの英語教育スタートは遅い?』(株式会社 児童英語研究所、2019年)
2020年から小学5、6年生で英語の教科化、そして小学3、4年生で英語活動が義務化されます。そういった世の流れからなのかはわかりませんが、小学生のお子様を持つ親御さんからのお問い合わせが増えています。
そんな親御さんからのお問い合わせでは、ある質問を必ずといっていいほどいただきます。それが「今からやっても遅いですか?」というご質問です。中学校から英語学習をスタートした親世代からすると、小学生からのスタートは早いはずなのですが、巷に流れている「英語は早期教育でなければ身につかない!」「臨界期は○○歳」といったものを目にすると、どうしてもこういった不安な気持ちになるのもうなずけます。
こんな時に必要なのは実際にどうなのか、周りを見て冷静に判断することです。テレビやインターネットのメディアで専門家と称する人が色々なことを言いますが、そんな考えもあるんだ、ぐらいに聞いておくとよいですね。
さて、今回は、小学生から英語教育を始めるというのが本当に遅いのか、パルキッズが長年培った経験をもとに、検証していきましょう。
遅くはないけれど負担増
まず前出の質問に対する答えは「No」です。小学生からのスタートでも十分英語は身につきます。パルキッズの場合、英語が身につくという定義は「英検準2級のレベルに達し、リスニングができ、英書で読書ができるようになる」ということです。
小学校の高学年になると残り時間も少ないので、ここまでいこうと思うと中学校に入ってからも引き続きパルキッズプログラムを取り組む必要がありますが、小学校低学年から中学年のスタートで言えば、十分達成可能だと言えるでしょう。
もちろんこれは裏付けなく言っているのではなく、事実パルキッズで育った子どもたちがそうなっているという経験からお伝えしているので間違いはありません。
ただ、遅くはありませんが、幼児期にスタートするよりも少々大変であることはお伝えしなければいけないでしょう。
英語を身につけるのにまず必要なのが、「英語のリズム」を身につけることです。英語のリズムとは流れ来る英語の音を単語単位にわける力を言います。この力がなければリスニングができません。まずはこの力を身につけることが英語教育の第一のゴールになるわけです。
幼児の場合は、家庭内の日常会話を1日90分かけ流すだけで、約1年ほどで自然にこの力を身につけます。無意識の学習で勝手に身につくわけですから、子ども本人からするとこれだけ楽なことはありません。また、小学校低学年でスタートする場合もこのやり方で身につけることができます。ただ中学年以降だと、これが意識的な学習で身につける学習方法にシフトします。具体的には「音読・素読」をするということです。
最初はなかなか読むことができませんので、子どもにとって、少々骨の折れる学習スタイルになるでしょう。ピアノをやったことがある方なら想像しやすいかもしれませんが、読譜ができるようにするために、ひたすら音符を見ながらピアノを弾かされます。読み間違いやミスタッチをしても止めずに、弾き続けることをするわけですが、これが結構辛いんです。
英語の「音読・素読」も読めない時はそんな辛さがあります。小学校中学年から英語学習をスタートすると、そういった負担があることを知っておいてください。
小学生から英語教育をスタートするメリット
一方で、小学生から英語教育をスタートするメリットもあります。それは「読み始めが早い」ということです。
幼児期からスタートした場合、日本語の読解力もまだ育っていないので、そもそも「読む」という経験がなかったり、文字を文字として認識していなかったりということがあります。そのため、まずは文字を文字として認識し、拾い読みが始まり、という過程がどうしても必要になります。
これが小学生の場合は、すでに文字読みの経験があるので、英語でも書いてあるものが文字であるというのは知っています。また文字を読むにはルールがあることも知っています。それをまずは探ろうとします。読めなくても、日々音と一緒に音読・素読することで、文字と音との関係を注意深く観察し、すぐに拾い読みができるようになるのです。
当たり前のことですが、小学生の場合、読めるようになるまでの期間が幼児よりも断然短いのです。
さらに言えば、読めるようになることで、「自分は英語が読める」と認識し、「できる」を実感できるのです。これは自信になり、学習へのモチベーションへと変わります。周りで見ている親御さんも、目に見えてできるようになっているわが子を見ることで「やっていてよかった」と安心できるのです。
これが幼児の場合は、読み始めるまでの時間がそれなりにかかってしまうので、親子で成果を感じるまでの時間も、小学生のそれと比べると長くなってしまいます。それだけに親御さんが「成果」に固執しすぎると、幼児期の英語教育スタートの場合は、学習が続かないということが起こる場合があります。
小学生の英語学習の取り組み方
最後にパルキッズ流、小学生の英語学習の取り組み方についてお伝えいたします。
まずは学習開始時が小学校低学年の場合です。この場合、かけ流しで英語のリズムを身につける方法をとることができます。そのためメイン教材は『パルキッズプリスクーラー』でスタートしましょう。ただし、『パルキッズプリスクーラー』終了後は『パルキッズジュニア』に進むことになります。『パルキッズジュニア』では「音読・素読」で英語力を伸ばしていくため、『パルキッズジュニア』に入るまでの2年で読解力を育てておくと、非常にスムーズに学習のステップアップが可能になります。そのために、『パルキッズプリスクーラー』と並行して『アイキャンリード』に取り組みましょう。どちらの教材も、かけ流しとオンラインレッスンで構成されていますので、取り組み方はとても簡単です。
次に学習開始時が小学校中学年の場合です。この場合は『パルキッズジュニア』からのスタートになります。かけ流しではなく読む取り組みになりますので、前述したように、初めて英語学習をここからスタートするお子様の場合、始めは少々辛いところもあるでしょう。ただ、『パルキッズジュニア』では、最初の6カ月間でフォニックスの学習と基礎概念の学習を行いますので、ここで読みのルールなどの基礎的な準備学習をおこないますのでご安心ください。
あと、これまで何かしらの英語学習経験などがあるお子様もいらっしゃるでしょう。その場合は、果たしてどこからスタートしたらよいのかお迷いになる場合もあります。その場合は、パルキッズホームページの「教材えらび掲示板」からご質問ください。私がお答えさせていただきます。
小豆澤 宏次(Azukizawa Hirotsugu)
1976年生まれ。島根県出身。同志社大学経済学部を卒業後、米国ボストンのバークリー音楽大学に留学し、音楽家として活動。帰国後は幼児・児童向け英語教室にて英語講師を務める。児童英語研究所所長・船津洋氏に「パルキッズ理論」の指導を受け感銘を受ける。その後、英語教室の指導教材を「パルキッズ」へと全面的に変更。生徒数を大きく伸ばすことに成功する。児童英語研究所に入社後は、年間1,000件以上の母親への指導を行うとともに、パルキッズのオンラインレッスンのプログラムの制作ディレクションを行う。また大人向けの英語素読教材の制作ディレクションも行う。